例によって非公式日本語訳もあるでよ。
文章リンクをはりまくって自身の文章のエビデンスとしているところがネット時代の書き手らしいが、「WHOは大国のおもちゃであってはならない」と、資金停止策で脅すアメリカのトランプ大統領の批判だけでなく、中国の初期対応の犯罪的なまずさ、そして WHO の失態とその原因についてきちんと書いている。最後については遠藤誉氏が書く問題点を補助線とするのもよいだろう。
余談ながら、ワタシが子供の頃から当たり前のように持っていた WHO という組織に対する信頼感は完全に失われた。テドロス・アダノムは即刻辞任すべきだし、WHO は台湾の正式加入を認めるべきだ。
ゼイナップ・トゥフェックチーというとなんといっても『ツイッターと催涙ガス ネット時代の政治運動における強さと脆さ』なのだけど、今年2月から Atlantic に新型コロナウイルス関連の文章をいくつも寄稿しており、どれも一面的でなく複層的なところが彼女らしい。
そうそう、最近の Atlantic については市川裕康氏の「コロナ禍をきっかけに生まれる新しいニュース消費習慣〜米老舗メディア『アトランティック』」が参考になるだろう。その方針とゼイナップ・トゥフェックチーの問題意識がマッチしたということなのかな。
ツイッターと催涙ガス ネット時代の政治運動における強さと脆さ (ele-king books)
- 作者:ゼイナップ トゥフェックチー
- 発売日: 2018/10/17
- メディア: 単行本