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ケヴィン・ルース(ケヴィン・ローズじゃないよ)の意図せず時宜を得てしまった(?)新刊『Futureproof』

ケヴィン・ルース(Kevin Roose)の仕事は、5年前に「「ロボット」という言葉はもはや無意味なのか?」を書いたときに取り上げているが、さすがに Digg 創業者のケヴィン・ローズ(Kevin Rose)と間違われなくなっている。

彼は現在 New York Times のテクノロジー分野のコラムニストだが、「邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2016年版)」でも紹介した第一作に続く新作 Futureproof: 9 Rules for Humans in the Age of Automation が来月出る。

Futureproof: 9 Rules for Humans in the Age of Automation

Futureproof: 9 Rules for Humans in the Age of Automation

  • 作者:Roose, Kevin
  • 発売日: 2021/01/12
  • メディア: ハードカバー

人工知能が遍在し、仕事は自動化され、アルゴリズムが人間の人生を動かす。今こそあなた自身を futureproof させるときだ――という宣伝文句だが、futureproof(future-proof)とは「時代遅れにならないようにする」という意味で……と知ったように書いたが、恥ずかしながら知らなかった。

なんというか『ワーク・シフト』『ライフ・シフト』みたいな本じゃないかとそれらを読んでもないのに思ったりするが、今回の新型コロナウイルスがもたらす災厄で、こうした本の主張は前提からして崩れちゃったんじゃないかと思ったりしている。

そのあたり、この本が「コロナ後」でもどれくらい通用するかでこれが邦訳されるか変わるでしょうな。

ただ、ケヴィン・ルースが書く「自動化の時代」というのは、パンデミックはロボットによる自動化を加速するという話もあり、未だ時宜を得たテーマであることは変わらない。

個人的には、この本に推薦の言葉を寄せている人に、今年のアメリカ大統領選挙民主党候補者を選ぶ予備選において、唯一のアジア系、しかもテクノロジーをもっとも理解しているという評判だったアンドリュー・ヤンが入っているのがワタシの興味を惹いた。

思えば、彼が提唱した政策にユニバーサルベーシックインカムがある。ワタシは以前からずっと「ベーシックインカム」には感覚的な反対派だったのだが、だんだんとありかなぁと考えを変えつつあったところで、今回のコロナ禍があり、長らく机上の空論扱いされてきたこれが実現する可能性が出てきたというのも難儀な話である。

ともかくアンドリュー・ヤンは、渡辺由佳里さんの文章を読んで以来好感を持っているし、その彼が薦める本なら良いものかもね。

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