先日、大久保潤さんから連絡をいただき、ゼイナップ・トゥフェックチー『ツイッターと催涙ガス ネット時代の政治運動における強さと脆さ』の刊行を教えてもらった。
ツイッターと催涙ガス ネット時代の政治運動における強さと脆さ (ele-king books)
- 作者: ゼイナップトゥフェックチー,毛利嘉孝,中林敦子
- 出版社/メーカー: Pヴァイン
- 発売日: 2018/10/17
- メディア: 単行本
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ゼイナップ・トゥフェックチー(Zeynep Tufekci)の本は、BackChannelチームが選出した2017年最高のテック系書籍11選で取り上げたし、その後も「ネット広告から権力者による監視まで〜AIのアルゴリズムが導くディストピアへの道」でも彼女の講演を取り上げている。
junne さんによると、ワタシの文章を読んで邦訳を企画したとのことで、もちろんワタシのブログエントリなど契機の一つに過ぎないとは分かっていても、そう言っていただけるだけで嬉しいことこの上ない。
正直邦訳自体難しいと思っていたところに、下手に邦題を無理やりキャッチ―なものにすることなく、ちょっと物騒な原題をほぼそのまま直訳しているところにこれに携わった人たちの真摯さを見る気がする。
ゼイナップ・トゥフェックチー(紹介する文章ごとに名前の日本語表記が微妙に違っていたが、これで定着かな?)は重要な論者だと思うし、何よりこの『ツイッターと催涙ガス』は、それこそ2010年代はじめに出た安易なネットによる動員論を徹底的に更新するものである。
ちょうど恵贈いただいた本書を読み始めたところなのだが、二段組のこの本をよくぞ邦訳出版してくれたと感謝したくなる多層的な本である。