先月の話題になってしまうが、New York Times の記者2人が書いた Facebook の内幕を描く An Ugly Truth の内容がニュースになった。そこで話題となったのは、つまりは以下のような話である。
これ日本の企業でも絶対起こってると思うのだけど :-)
— 高梨陣平 (@jingbay) July 16, 2021
今度出る本でFacebook社員によるストーキングが話題に。2014年から2015年でFBでは個人的理由によるデータアクセスで52人が首に。ある社員はフラれた彼女が在住するホテルを特定。別の社員はデートの後に返信が無くなった女性の現在位置を追跡 https://t.co/61PvROYwQb
この手の話って昔は Google もあって、それが露見して社員のデータへのアクセスが厳しくなったのは有名……と過去形で語ってはいけないのかもしれない。今月になって、Google でもデータの悪用が理由で社員が解雇された話がニュースになっているからだ。
正直、今の Google でもそれあるのかと思ってしまうが、それだけ普遍的な、誘惑の多い問題なのだろう(日本のテック企業は、さてどうでしょう?)。この手のニュースには前のめりになってしまうが、それはワタシがゲスだからではない(と思いたい)。
しかし、この Facebook 内幕暴露本『An Ugly Truth』について日本のニュースメディアで話題になっているのは、以下のようなシェリル・サンドバーグに関する話ばかりなんですよね。
シェリル・サンドバーグは世界有数のテック企業の COO なんだから、そりゃ彼女に関する話は重要だけど、この本ではもっと報じるべき身近な話題があるんじゃない? とも思ってしまうのよね。まぁ、ワタシの調べが足らないだけの可能性もあるけど。
そんな話題ばかりの本ではないことを示すために、New York Times に掲載された書評もリンクしておこう(執筆者は『インスタグラム:野望の果ての真実』の著者のサラ・フライヤーだ)。この本の刊行に Facebook 側もかなり神経質になってるようだが、それだけいろいろ暴露されている本ということだろう。
この書評にもある通り、ロジャー・マクナミー『Zucked』、シヴァ・ヴァイディアナサン『アンチソーシャルメディア』、スティーブン・レヴィ『Facebook: The Inside Story』など Facebook 本は事欠かないが、これは邦訳が出るべき本だと思いますね。