エアギターが世界的な盛り上がりをみせている……のかは分からんが、エアギターで演奏できる「シャツ」まで開発されたとはまったく驚きである。
この熱いエアカルチャーは、エアセックス、エアガムといった新しいムーブメントにも波及しつつある(そうなのか?)。
しかし、ワタシは不満である。エアギターのオリジネイターがしかるべき敬意を受けていない。Wikipedia の「エア・ギター」の項目(英語版、日本語版)を見てもそれについての記述がない!
いや、ワタシにしても厳密に最初に誰がやったかは知らない。しかし、これを最初に世に知らしめた人間なら、自信を持って言える。ジョー・コッカーである。
今では洋楽ファンでも名前を知らない、知っていてもかろうじて「『愛と青春の旅立ち』のテーマ曲をデュエットしてた人でしょ?」なのかもしれないが、この人もドラッグで身を持ち崩さなければ、ヴァン・モリソンと並ぶ白人ソウルシンガーとなっていたかもしれないのだ。
彼の全盛期のパフォーマンスが見れるとなると、やはり映画『ウッドストック』(asin:B000FFP2BM)になる。この歴史的フェスティバルにおいて、彼は大観衆を前に堂々エアギターを披露した。
YouTube のほうには、"The day the air guitar was born in 1969." というコメントがついていて笑えるが、本当に素晴らしい歌声である。一方で、今改めて見ると、エアギターというより、単にちょっとアブナい人(以下略)
この鮮烈なパフォーマンスに対し、ローリング・ストーン誌はその年のクリティックポールで、ジョー・コッカーをベストギタリスト賞に選出したという話を渋谷陽一のラジオ番組で昔聞いた覚えがあるが、その真偽は知らない。