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AI企業と大手出版社のライセンス契約はたぶんマズい、という文章を訳したので読んでください

Technical Knockout「AI企業と大手出版社のライセンス契約はたぶんマズい」を追加。Michael Weinberg の文章の日本語訳です。

ちょっと前にコンデナストなど大手メディア企業と OpenAI の提携のニュースがあり、こういうライセンス契約をワタシ自身落としどころじゃないかと書いたこともあるのだけど、ちょっとマズいんじゃないかねぇと思うところもあり、たまたまそういう問題意識に合致する文章を読んだので訳した次第。

マイケル・ワインバーグは「モデルをトレーニングするのに使用されるデータを作成した全員に補償するのはマズい考えだと思う」と書いているが、ワタシ自身は「「お前の手は血まみれだ」に始まる2024年のクリシェ、そしてAIの儚い未来の落としどころ」で紹介した以下のやり方に(実現可能性はともかく)魅力を感じるのだ。

ラガヴァンとシュナイアーの提案は実にシンプルで、大企業が公開データで学習させた生成AIの出力を作成したら、データ単位でわずかなライセンス料を支払い、その手数料がAI配当基金に入ります。そして、数か月に一度、商務省が基金にある全額を全国の国民に均等に送る。それだけです。

つまりこの提案では、新聞社や出版社、プロのアーティストだけでなく、アメリカ国民全員がAI配当基金からの支払い対象になります。AI配当基金への支払いは、個人の開発者や中小企業は免除され、大手のハイテク企業、つまり大きな収益を上げている企業だけが求められます。逆に言うと、この基金への支払いに同意することは、そのビッグテックは公開データを利用できるライセンスを得る、一種の強制ライセンスの仕組みを果たすわけです。

「お前の手は血まみれだ」に始まる2024年のクリシェ、そしてAIの儚い未来の落としどころ – WirelessWire News

この「AI 配当基金」が実現したとしても、国民1人が受け取る配当金は年間数百ドルなので、ユニバーサル・ベーシックインカムの役割は期待できないんだけど。

そういえば OSHWA(Open Source Hardware Association)の理事選挙が始まったが、マイケル・ワインバーグもここの理事歴長いよね。

ワタシが彼の「3Dプリンティングと著作権を考える」を訳したのが2013年……もう10年以上前になるんか。

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