Bad news on the doorstep I couldn't take one more step I can't remember if I cried Don McLean, "American Pie"
しなもんに踏まれたい、しなもんにガブリと噛まれたい、やっぱりしなもんに噛まれたい、「しなもんさんに滅茶苦茶に噛み砕かれて、しまいにはのど笛をかっきられて殺されたいのでお伺いしてもいいですか?」など折にふれ、しなもんさんに対する一方的な愛情を表明してきたワタシであるが、いつかしなもんさんに会える機会があるのではと思っていた。
しかし、あるときワタシ自身の内的な変化により、その機会はないことを悟った。いずれにしろ、一日でも長くしなもんさんが元気で長生きし、その生命を全うすることを願う気持ちに変わりはなかった。
今月に入り、激やせした写真を見たとき、これは来るべきときが来たと密かに覚悟を決めた。
しかし、愛の彼方の変わることなき死というものは、覚悟を決めていようがいまいが突然来るものである。その日訃報を知る前にコーギーを讃えるツイートをしていたのは哀しい偶然である。
ネットを通じ、しなもんさんの晩年まで微妙に位相を変えつつも失われなかった愛らしい姿にどれだけ心癒されたか分からない。日々の悲しい生活の中で、しなもんさんの写真を見ることが数少ない心の潤いだった時期がワタシには確実にある。
一つ思い出すのは、近藤淳也さんはしなもんさんのことを会話の中で端的に「犬」と呼ぶのだが、あるときそれを聞いて「犬言うなや。会長と呼べや!」と半切れしたことがある。部外者のワタシが社長を飼い犬のことでどやしつけるとは失礼にも程がある。かつて近藤さんにははてなは適切な言葉を使え。そして近藤淳也は犬に謝れと要求したこともあった。近藤さんに謝るべきは何よりワタシ自身である。
今はしなもんさんに実際に愛情を注いだ方々、特に最初からの飼い主である近藤令子さんに心から感謝したい。
はてな最後のスタープレイヤーが去った。勝手なことを書かせてもらえば、彼の死はかつてワタシが愛したはてなの終焉の象徴なのかもしれない。