本人曰く7度目の挑戦らしいが、この15年近く何度も企画復活の話題がニュースになってきたテリー・ギリアムの『ドン・キホーテを殺した男』(最初の製作中止にいたる顛末は『ロスト・イン・ラ・マンチャ』でおなじみ)、今度こそクランクインかって……悪いこと言わないから、止めたほうがいいと思うよ。
しかし、今回は脚本にかなり手が入っているようで、現代人がタイムスリップしてドン・キホーテに出会うというメインストーリー自体破棄され、はじめから現代が舞台で、しかも「映画はいかに人にダメージを与えうるか」がテーマって……もはやこの映画の製作プロセスそのものやないか。
現代が舞台ならセットに金はかからんのかもしれないが、そこでドン・キホーテが何するよ。
日本でも今秋に公開されるらしいギリアムの新作『The Zero Theorem』だが、ブエノスアイレスのストリートアーティストからグラフティをパクったとのことで訴えられている。
ギリアムは『12モンキーズ』のときも似たような訴えをされているが、これもドン・キホーテの呪いに思えてくる……。
そうそう、先ごろロビン・ウィリアムズが亡くなってしまったが、テリー・ギリアムの映画では極私的最高傑作『バロン』と、ギリアムの映画の中で一番好きな『フィッシャー・キング』に彼は出ており、特に主演した後者では彼らしい騒々しさと繊細さが両方出ているので、未見の方は彼の供養にもお勧めしたい。
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