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この世界の片隅に

ようやく見ることができた。都内の映画館では満席が続出とかいう話で、しかし、ワタシが住んでる地方のシネコンだと上映回数が減らされていてどういうことかと思ったが、かなりの席が埋まっていたところにギリギリかけこんで観ることとなった。

事前にかなり良いという評判だけ聞いていて、原作ファンも文句なしとのことだが、ワタシは原作は例によって未読なので、そちらとの比較はできない。

ワタシが本作を観に劇場に足を運んだのは、上述の評判のよさももちろんあるが、やはり主役の声をあてているのが能年玲奈改めのんさんだからだ。「あまちゃん」のファンだった人間にとって、彼女の現状がきがかりなのはいうまでもないし、新しい仕事に対する興味もある。

そうした意味で、最初は少し違和感があったものの、やがて彼女が本作の主役の声優を務められてよかった、絵を得意とする、どこか抜けたところのある主人公のモノローグがストーリーを牽引するが、彼女はそれに応えており、そうした作品と出会えてよかったと嬉しくなる映画だった。これは傑作ですね。

原作を未読のためか、前半台詞や人間関係が分かりにくいところが少しあったし、少し駆け足かなと思う場面もあった。ただ本作のアニメーションは一見安穏としているが情報量は多いし、時代考証には相当な執念をもって臨んだのではないか。だからこその戦時中の主人公たちの生活描写の納得感だろうし、主人公を暗い影で覆いつくす戦争の描写も市井の人たちの変化を丹念に描いている。そのあたりのリアリズムと、気がつくと画面が主人公が描く絵に重なるアニメ的表現の見事さに感服した。

一人で観に行き、両側埋まった状態で見たが、途中何度も笑いだしたくなるところのある映画で、しかし終わり頃にはどうにも涙が頬をつたい止まらず困ったなと思ったが、本作はクラウドファンディングで資金調達をした関係で、通常のエンドロールの後、少し冷静になるというか涙を乾かす時間がとれてその点でありがたかった。

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