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リメンバー・ミー

ピクサー映画はちょっといいかなと思っていたが(抱き合わせで短編見せられるのに、いささかうんざりしている)、本作はとても評判がよかったので、レイトショーで吹替版を観てきた。

本作のメキシコにおける「死者の日」という風習は、日本におけるお盆に置き換えれば、日本人にとっても割りと違和感なくストーリーに入っていける。しかも本作での「死者の日」はとにかくカラフルに描かれており、とても画面映えするのだ。

また、人間は二度死を迎える。一度目は肉体の死、二度目はその人を思い出す人がいなくなるとき――というのは、近年の映画でも『ミッドナイト・ガイズ』の台詞にもあったし、ワタシ自身その視座で書かれたロジャー・イーバートの文章を題材にして文章を書こうとしていたので(けれど、どうしても書ききれなかった)、ワタシの琴線に触れるところがあった。

しかし、本作をもって「家族の絆って素晴らしい」というのは違うだろう。ワタシは本作を観て、むしろ家族や血筋第一主義の「呪い」を感じてしまった。

とはいえ、そうであっても観てて泣いてしまうんですな。本作は途中からかなり展開が読めてしまう。こいつが助けてくれるだろうと思ったら、まずその通りになる。そうした意味で本作は、例えば『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』に劣るのだが、さすがピクサーな見事なエンターテイメント作品でした。

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