OpenOffice のソースコード公開20周年を祝う記事であるが、これを伝えるスラドの記事でも指摘されているように、OpenOffice は長らく開発が停滞しており、よくそんな状態で祝えたものだと言われても仕方ない。
しかも、おそらくはこのタイミングに合わせてだろうが、Document Foundation から OpenOffice に対する強硬な公開書簡が公開されている。
機能的に凌駕する後継プロジェクトがあることを OpenOffice はユーザに周知しろというなかなかすごいメッセージで、要はお前らとっくに開発止まってるんだから、後進に道を譲れというわけ。
この文章中にあるメジャーリリースのタイムラインの図を見れば主張は一目瞭然だけど、以下のくだりなどなかなか辛辣である。
Apache OpenOffice がいまさら古ぼけた 2014年からの4.1ブランチをメンテしたいというなら、確かにそれもレガシーユーザには重要なんでしょう。しかし、新規ユーザを助けることこそ、2020年の今一番やる責任があることです。新しいユーザに OpenOffice を基盤としながらも、それよりずっとモダンで、いまどきで、専門サポートがあり、ユーザが求めるたくさんの追加機能を備えたものがあることを知らせましょうよ。
それが LibreOffice なのは言うまでもない。
ワタシも経験上分かるのだけど、Microsoft Office が入っていないマシンで Office 文書の閲覧と編集をやる必要がある場合、「OpenOffice を入れればいい?」と名前が出るのはたいてい OpenOffice で、そのたびに一応ワタシも「LibreOffice のほうがいいですよ」と訂正するのだけど、一般には未だに OpenOffice の知名度のほうが高いという現実がある。
そして、それはもはや有害かもしれず、佐渡秀治さんも書くように Document Foundation の主張は「現状を見ればごもっともとしか言いようがない」というところか。以下のツイートも参考になる。
何故、LibreOfficeはOpenOfficeに対して死屍に鞭打つのか。勝手な推測で書くと、彼らの競合はもはやOffice365、Googleといったクラウド。そこで橋頭堡を築くためにより多くのユーザーが必要。なのに昔の名前だけで潜在的なユーザーを削り、評判の足を引っ張る出来損ないの兄がいる。ま、しゃーない。
— Shuji Sado (佐渡 秀治) (@shujisado) October 14, 2020