カート・ヴォネガットが亡くなったのは2007年だから、もう14年になる。彼の死後、本格的な評伝『人生なんて、そんなものさ』が出たが、彼のかなりダークな面も描かれており、一部の遺族から内容に異議が唱えられている(参考:荒野に向かって、吼えない…)。
彼の伝記映画って作られていないのかと思ったら、Kurt Vonnegut: Unstuck in Time というカート・ヴォネガットのドキュメンタリー映画が作られているのを知る。
公式サイトによると、この映画の制作は以下のようにして始まったそうな。
1982年、ある若き映画製作者が、彼の文学上のアイドルに、彼の人生と業績についてのドキュメンタリーを提案する手紙を書いた。カート・ヴォネガットはすぐにロバート・ウェイドに会い、ドキュメンタリーの制作を許可した。ウェイドは必要な資金調達に数か月かかるが、映画はその年のうちに完成できるだろうと考えていた。それが33年前のことだった。
ロバート・ウェイドってどこかで名前を見たことがあったな……と記憶を辿ったら、「Directed by Robert B Weide」ミームの人か!
1982年に彼がヴォネガットに出した一通の手紙からドキュメンタリー映画の制作が始まったわけだが、それからおよそ40年近く、ヴォネガットの死からも14年経っての完成ということになる。ウェイドはヴォネガットと親交を深め、その友情自体も映画の重要な要素みたい(だが、個人的にはそのあたりに少し不安を感じる)。
このトレイラーにも出てくるが、Unstuck in Time とは彼の最高傑作『スローターハウス5』(再映画化の話はその後進んでいるのだろうか?)で、主人公ビリー・ピルグリムについてまず宣言される一文からの引用ですね。
その出来が気になるが、この作品が日本の映画館で観れる日が来ればと思う。
ネタ元は kottke.org。