調べものをしていて、マイク・アイザックの Uber 暴露本の邦訳『ウーバー戦記』が出るのを知った。
この本の内容については、原書刊行を受けて書かれた記事が詳しい。
GAFA に代表されるビッグテック企業が、お前ら(特に Google と Facebook)資本主義を悪用し、民主主義にとって害悪だろとボコる本がショシャナ・ズボフ『監視資本主義』を筆頭にいくつも出ているが、その糾弾対象が Uber といった後の世代にも及んでいることがよく分かる本である。
「邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2020年版)」でも書いたことだが、ワタシも Uber については「『羅生門』としてのUber、そしてシェアエコノミー、ギグエコノミー、オンデマンドエコノミー、1099エコノミー(どれやねん)」で辛辣に取り上げているが、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』に収録するにあたり、その後で判明した不祥事を箇条書きで追加していたら、いつまで経っても新たな不祥事が明らかになって終わらず、呆れたものである。
しかし、日本でも Uber というと配車サービスではなく宅配業務のウーバーイーツになってしまうため、この本がどこまで受け入れられるかは少し分からないところがある。
思えば、ティム・オライリー『WTF経済』の表紙には「GAFAよりも注目すべきなのはウーバーだ」という文句が躍っている。その通りだったろう。確かに Uber は「台頭し席巻し」た。しかし、GAFA なんかよりも遥かに生き急ぐように「社会から憎まれ」るところまできたのだから皮肉なものである。