少し前に、ネット上でデジタルコンテンツを販売できる決済サービス Gumroad のことを調べることがあった。
サービスが正式にスタートしたのが2012年2月で、つまりはちょうど10年前だ! その翌月には日本でも話題となり創業者の Sahil Lavingia がインタビューを受けているが、この時彼はまだ19歳(!)だった。
で、それから10年の時を経て、今も Gumroad は生き残っているが、iTunes 越えはさすがに達成されていないし、当初話題となった日本語対応もとっくになくなっている(よね?)。
Gumroad のサバイバルはなかなかの苦難の道のりだったようだ。
Pinterest の2番目の社員だった Sahil Lavingia が週末プロジェクトとしては始めた Gumroad はいきなり注目を集め、資金調達も当初は快調だったが、そのうち成長が止まり、社員を解雇せざるを得なくなり、やがてはサンフランシスコを離れ、個人企業の域に戻ってしまう。
しかし、10億ドル企業を作るという起業当初の成功基準は満たせなかったが、Gumroad を回し続け、彼なりのポジションをつかんだと言える。
Gumroad は個人企業であれば問題ない着実な成長を続けており、Sahil Lavingia も「元祖クリエイターエコノミー」、「オレ流ワークスタイル」をアピールできる余裕がでてきた感じである。
www.minimalistentrepreneur.com
昨年、彼は The Minimalist Entrepreneur といういかにも彼らしい名前のサイトで6週間のオンライン講座からなる起業塾を主催しており、同名の書籍を昨年秋に出していた。
「優れた創業者は、いかにして少ない人数で多くのことを成し遂げるか」という副題に、個人企業に戻りながらも Gumroad を10年持続させてきた Sahil Lavingia の矜持を感じさせる。
とにかく起業すればビッグになれる! な煽り本よりも、これくらいのスケール感の起業本が今の日本でもリアルなのかもしれませんな。日本のウェブメディアも今の彼を取材してみてはいかがでしょうか。