この2013年公開の記事は Boing Boing 経由で知ったが、この記事で世界的なセレブ料理人、フードジャーナリストだったアンソニー・ボーディンが説く、初めて行く都市で食べる店を探す方法が面白い。
アンソニー・ボーディン自身は、初めてある都市に行く場合、早朝にその街の中央市場に出向き、そこの人が買い、食べるものを観察し、その街では何がおいしいか見極めるようにしているそうだが、続けて違うやり方も紹介している。
初めて行く都市で行く店を見極めるもう一つのやり方に、ネットでオタクを怒らせるというのがある。掲示板のあるグルメの集まるウェブサイトにアクセスする。例えば、クアラルンプールに行くとしよう――マレーシアの掲示板に、最近マレーシアに行って世界最高のルンダンを食べたと言って、ある店の名前を出せば、うっとおしいグルメたちが大挙して怒りのリプライをよこし、その店はクソで、行くべきお店を教えてくれるというわけだ。
つまり、「クアラルンプールでおいしいルンダンを食べたいんですが、どこがおすすめですか?」みたいな普通の質問は興味をひかないが、間違った意見を使ってより良いお店の情報が釣れるということですね。
Boing Boing のマーク・フラウエンフェルダーは、この手法が「インターネットで正しい答えを得る最良の方法は、質問をすることではない。そうでなく間違った答えを投稿することだ」という「カニンガムの法則」に近いと書いている。
ただし、Wiki の父であるウォード・カニンガム自身は、「私は間違った答えを投稿して答えを得ることなんて勧めてないからな!」と「カニンガムの法則」を否定しているのでご注意あれ。
アンソニー・ボーディンが悲劇的な死を遂げたのが2018年で、昨年彼の生涯を追ったドキュメンタリー映画 Roadrunner: A Film About Anthony Bourdain が作られ、コロナ禍で大ヒットとなったという話は聞いたが、日本公開はかなわなかったのか。