先日も「ケンブリッジ・アナリティカ告発本の真打クリストファー・ワイリー『マインドハッキング』と「監視資本主義」の行方」で紹介した Netflix ドキュメンタリー『監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影』(公式サイト)を遅ればせながら観た。
まぁ、予想通り/期待通りの内容だった。Google、Facebook、Twitter などのテック大企業で実際にサービス開発を担った人たちが何人も登場して語る一方で、彼らの発言を理論的に整理する役割として、『Zucked』のロジャー・マクナミー、『監視資本主義の時代』のショシャナ・ズボフ、『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』のキャシー・オニールと並んでフィーチャーされていたのが「バーチャルリアリティの父」ジャロン・ラニアーである。
『監視資本主義』を観た後、気になって調べたら、ワタシが4年以上前に紹介した本の邦訳『万物創生をはじめよう』がこの夏刊行されていたのを今更知った。

- 作者:ジャロン・ラニアー
- 発売日: 2020/06/18
- メディア: 単行本
この本は、ラニアーの「VRの父」としての本業(?)寄りの仕事になる。(『監視資本主義』でも紹介されてた)アンチソーシャルメディア本しか翻訳されないのはあんまりだろと思っていた人間としては嬉しいのだけど、Amazon を見ても刊行から3か月経って1つもユーザレビューがついてない。ちゃんと届くべき読者層に宣伝が届いていないのではないだろうか? 他人事ながらいささか心配になる。
これは宣伝だけど、ワタシの『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』も連載第1回目はジャロン・ラニアーの本を取り上げた「インターネットによる中流階級の破壊をマイクロペイメントが救うか」だったという縁もあり、彼のことは気になるのですよ。