"You Are Not Expected to Understand This" という新刊の編者である Torie Bosch へのインタビュー記事なのだが、この本の「あなたがこれを理解してくれると期待はしていない」という題名からして不穏だし、「いかにして26行のコードが世界を変えたのか」という副題も興味をそそる。これだけでつかみはオッケーである。
この題名を見てピンときた人もいるだろう。これはデニス・リッチー先生が UNIX v6 のソースコードに書いたコメントで、これについては Jargon File や Wikipedia に項目が立っているくらい年寄りには有名で、デニス・リッチー自身も説明する文章を書いている。
つまり、この本はコードについての本で、コンピュータ上で動作するコードが人間的な意思決定の結果であり、いかに我々の生活がそれに依存しているか、それこそアポロ計画や前述の昔の Unix の話から、最初のコンピュータワーム(モリス・ワームの話とみた)から近年のビットコインにいたるまで語る本みたいで、これは面白い(現在に直結する)歴史物語をいくつも読めそうだ。
いろんな人が寄稿しているが、不勉強なワタシが知っているのはイーサン・ザッカーマンくらいで、おそらく彼はポップアップ広告の話を書いてるのだろう。……と思ったら、「邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2021年版)」で紹介した『The Innovation Delusion』の共著者 Lee Vinsel も書いてるね。
おっと、ここまで読んでも「世界を変えた26行のコード」が何か分からないのだが、この本の邦訳が出るのを期待することにしよう。
ネタ元は Slashdot。