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AIは企業のCEOにとってかわるのか

www.nytimes.com

「AI があなたの仕事をこなせるなら、あなたのとこの CEO も AI に置き換えられるかもね」という記事タイトルだが、人工知能プログラムがオフィスを揺るがし、何百万もの仕事を陳腐化する可能性があるが、それをいうなら、ニュースリリースのライターやカスタマサービス担当だけでなく、企業の CEO(最高経営責任者)だって AI に置き換えられるかもよ、という話である。

これは単なる予測ではない。AI 指導者という概念を公に実験し始めて成功している企業が少数存在する。

ホントかよ。オンライン学習プラットフォームの edX は昨年の夏に数百人もの CEO や経営幹部を対象に調査を行ったところ、調査対象の経営幹部の半数近く(47%)が CEO の役割の「ほとんど」あるいは「すべて」が完全に自動化、あるいは AI に置き換え可能なはずと回答したという。

edX の創始者のアナン・アガワルは、「最初、『従業員全員置き換わる。でも、私の仕事は違う』と直感的に思ったけど、よくよく考えると CEO の仕事の80%は AI に置き換え可能だった」と語っている。AI により、誰でも CEO になれると彼は言う。

ワタシが思い出したのは、小関悠さんの短編「ロボット上司問題」なのだが(これ9年前の作品か!)、「ロボット上司(robot-boss)」という言葉が最初に使われたのは、1939年にパルプ雑誌に書かれた短編小説らしい。その後、人間と機械の関係を描いた作品が多く作られたわけだが、アリババのジャック・マーは、現在の AI ブーム前の2017年に、30年後には「ロボットが最高の CEO として TIME 誌の表紙を飾るだろう」と予言している

最先端 AI は、30年後といわずそれを実現するのだろうか?

この記事ではいくつか実例が紹介されているが、詳しくは原文をあたってくださいな(さすがに日本の事例には触れられていない)。これまで AI が仕事を奪う話は、主に平社員というか専門性が低い側からどこまでいくかだった。しかし、企業の頂点である CEO まで置き換えの可能性が論じられるとはね。

この記事でも、「今や立場は逆転している。研究者は、経営幹部レベルの自動化が、下級労働者を助ける可能性さえあると推測している」という記述があったりするが、驚きよね。

「社交的な人間の上司を好む人もいます。しかし、コロナ禍の後では、多くの人は上司なしでも平気になってます」というエセックス大学のフィービー・V・ムーア教授の言葉で記事は締められている。

ネタ元は Slashdot

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