はやくも「AI倫理」がホットな問題、というかコンフリクトの争点になってきた……という書き方は少し勇み足で、管理職から見て扱いずらかった AI 研究者を機を見てお引き取りいただいた、というのが実態に近いのかもしれない。たとえそうでも Google 側の説明にはどうしても無理を感じるので、Google 内外で本件の余波がありそう。
さて、少し前に「ロボット・AI時代にその危険性と人間の専門技能の擁護を説くフランク・パスクアーレ『New Laws of Robotics』」を書いた際にフランク・パスクアーレのことを調べていて、彼が Oxford Handbook of Ethics of AI という本に関わっているのを知った。
The Oxford Handbook of Ethics of AI (Oxford Handbooks)
- 発売日: 2020/07/10
- メディア: ハードカバー
Ethics of AI、つまり「AI倫理」については、少し前にも MIT Tech Review で、『AI社会の歩き方―人工知能とどう付き合うか』(asin:4759816801)の著書もある江間有沙氏の「なぜ今「AI倫理」の議論が必要なのか」という記事を読んでいたのだが、必然的にこの議論が表舞台に出てきた感じである。
しかし、上記の本、とても気軽に買える値段ではない。残念……と思っていると、The MIT Press から AI Ethics というそのものズバリな本が出ているのを知った。
こっちを買ったものかねと思いながらもう少し調べてみると、なんと年末に『AIの倫理学』として邦訳が出るじゃない!
- 作者:M. クーケルバーク
- 発売日: 2020/12/28
- メディア: 単行本
これは実にタイミングが良い。原書刊行からほとんど時間が経っていないことを考えると、版元も相当期待しているのではないか。