フィリップ・K・ディック後期の傑作『スキャナー・ダークリー』の映画化については以前から報道されているが、今年7月の公開にさきがけ、予告編映像のマッシュアップコンテストを RES magazine が開催する話を Boing Boing で知る。
法の絡みで日本在住者は参加できないようだが、それにしてもこうした企画を映画会社の承認のもとで(多分)行えるというのは好ましいことだと素直に思う。
『スキャナー・ダークリー』については、ワタシは山形浩生の翻訳で読んだが、本当につらく悲しい小説だった。恐怖すら感じた。読書記録にも書いているが、これを読んでいた当時ワタシ自身心底つらい状況で、ワタシの中でこの小説は、その当時聴いていた Red Hot Chiili Peppers の "Scar Tissue"(YouTube)の孤絶感とセットになっている。
映画化を契機に浅倉久志氏による新訳が刊行されているが、今読んでもあのときの状態に引き戻されそうで、ちょっと手がのびない。
- 作者: フィリップ・K.ディック,Philip K. Dick,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/11/01
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しかし、当時山形浩生に近況を書き殴ったキチガイズム溢れるメールを送りつけたのは、よほど精神的に追い詰められていたのだろう。特段親しくなかった(もちろん現在も親しくない)当方に簡潔で温かい返信を下さった山形さんには感謝の言葉もない。
Radium Software Development で映画化の制作遅延について書かれているが、キアヌ・リーブスをはじめとしてボンクラさが板についた期待できるキャスティングになっているし、監督のリチャード・リンクレイターには『スクール・オブ・ロック』で心底楽しませてもらったので、良い出来であってほしい。
調べてみると、『スクール・オブ・ロック』はもうすぐ廉価版 DVD が出る。迷わず予約。
スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
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