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サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス '78

サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス '78 【日本語字幕付】 [DVD]

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二週間だけ劇場公開ということで時間を合わせて行ってきた。

ストーンズのライブを映画館で観るのは『シャイン・ア・ライト』に続いて二度目だが、1978年のライブで(本編の冒頭に映る客の格好に『ブギーナイツ』を少し連想した)さすがにライブバンドとしての力量、勢いとも比べ物にならないくらい良かった。

ワタシが本作をわざわざ観に行こうと思ったのは、このライブが『Some Girls』(asin:B005N95JA4)を受けたもので、ワタシの中でこれが『Let It Bleed』や『Sticky Fingers』と並びストーンズの三指に入るアルバムだからである。本作では『Some Girls』から立て続けに7曲連続で演奏するが、思えば新譜からの曲が中心をなすツアーもこのときが最後だった。

この当時のライブについて、かなりズルズルとしたルーズな音だったという渋谷陽一の証言があるが、本編前のインタビューでミック・ジャガーも語るように新曲群はかなり真剣に集中して演奏してるのが伝わり、『Some Girls』に感じる溌剌さに通じるものを感じた。

本作が今公開されるのは『Some Girls』の再発企画に合わせてなのは容易に想像できるが、3000人くらいのキャパの会場で割としっかり撮られており、この映像が今まで陽の目を見なかった理由がまったく分からない。つくづくこのバンドはよく分からんところがある。

画としては奥にチャーリー・ワッツ、手前にミック、その両脇にキース・リチャーズロン・ウッドが並ぶ構図が中心で、たまに地縛霊が突っ立ってると思ったらビル・ワイマンで、稀にイアン・マクレガンとイアン・スチュワートが映る程度。要はサポートメンバーも最小限で、等身大ストーンズのソリッドな演奏が堪能できる。ボブ・クリアマウンテンのクリアなミックスもこの当時の音に合ってるね。

ストーンズはミック・テイラー在籍時代が最強と言われるが、キースのギターと一番相性がいいのはやはりロニーなんだなと再認識した。あと、チャーリー・ワッツが例の節約打法でありながら、特に前半結構エキサイトして叩いているのが伝わってきてチャーリーをこよなく愛するワタシとしては微笑んでしまう。

当時キースのドラッグ問題がありバンドの内情はシリアスだったはずだが、そのキースが仁王立ちで歌いミックがそれに絡む "Happy" はやはり無茶苦茶かっこよく、映画館で大音量で聴けてよかった。

……のだが、普通の映画より圧倒的に制作費が安いはずの映像で2000円の料金はやはり納得いかないことは書いておかなくてはならないね。音楽業界はこんなことやってるから消費者がますますお金を払いたがらなくなるのだよ。

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