ニコラス・G・カー先生がヨハイ・ベンクラーに吼えている。何故か?
2006年にベンクラーの当時の新刊『Wealth of Networks』をカーが批判したことに対してベンクラーが応じて賭けが成立した。それが Carr-Benkler wager と言われるわけだが詳しくは以下の二つのエントリを参照くだされ。
- Rough Type: Nicholas Carr's Blog: Calacanis's wallet and the Web 2.0 dream
- Rough Type: Nicholas Carr's Blog: Benkler on Calacanis's wallet
で、賭けの内容だが、インターネットで最も影響力のあるサイトは、2011年までに自発的な peer-production によって作られるものになるかどうか。もちろんベンクラーは賛成。カーは反対。peer-production という言葉は日本ではドン・タプスコット、アンソニー・D・ウィリアムズ『ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』で知った人が多いかと思うが、元ネタはベンクラーだったんですね。自発的な peer-production によって作られるサイトとは、簡単に言えば CGM という奴ですね。例えば Wikipedia や Flickr や Digg とか。
で、その2011年を過ぎ、もう勝負はついたじゃねぇか、俺の勝ちだろ、文句あるなら反論してみろやというのを、革新的な情報技術は当初は自由だったのが、ある段階で中央集権化され企業に支配されるサイクルに入るが、それはインターネットも例外でないとするティム・ウーの『The Master Switch』を引き合いに論じている。
カーのエントリの最後を読めば分かるように、当たり前ながらこれは金の問題ではない。果たしてベンクラーは反論するのだろうか(ワタシの見る範囲ではまだのようだが、既にどこかで反論してるのをご存知の方は教えてください)。