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ベイマックス

元々は観に行く予定がなかったのだが、メレ山メレ子さんの文章をタイトルだけ読み(ワタシは観に行く映画についての文章を事前に極力読まないようにするため)、Maker 映画というのに、えっ、そんな映画なの!? とぐぐっと惹かれ、行く気になった。

のだが、その後 Twitter 上でこの映画が「政治的に正しい」から良いとかどうとか、それと日本のアニメと比べたらみたいな話題も目にした。こちらも中身は見ていないのでとやかく言えないのだが、なんというか美味そうだと興味をもった料理を食べようとしたら、好みでないソースを勝手にかけられたような気分になり、楽しめなかったらワタシは「政治的に正しくない」人間になってしまうのかといささか気が削がれたが、なんだ、とてもよくできた娯楽作品だったじゃないの。

サンフランシスコとアジア(どうみても東京じゃなくて中華街でしょ)があわさったような架空の都市「サンフランソウキョウ」が舞台だったり、主人公が日本人の名前とかどうかそういう題材的なくすぐりより何より、主人公をはじめとして主要な登場人物が皆科学技術に精通した Maker であり、まぎれもなく科学オタクである自分たちを卑下も自嘲もすることなくその本分を発揮しているところが感動的だった。

主人公の兄が作った介護ロボットであるベイマックスの造形も絶妙で、そのキャラクターから生まれるユーモアも素直に楽しめた。

個人的に感覚にあわないところはもちろんあったのだけど(本作の場合、ある登場人物が富豪の息子だと分かるところなど)、ベイマックスだけでなく主人公の仲間たちの言動から生まれるユーモアもよいし(「今もしかしてウインカー出してなかった!?」)、アクションもしっかり楽しめるし、悪役の扱いもちゃんとしているし、最後には泣かせどころもある。

2015年の映画鑑賞を元気が出る良質な教育的映画の快作から始められて嬉しかった。

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