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オデッセイ

原作『火星の人』は未読なのだが、それにしてもこの邦題はなんなんだ。違うだろ。日本の映画配給会社の人間って、揃いも揃ってこうやって破壊衝動を満たさないと死ぬ病気にかかってるように見えるのはなんなのだろう、まったく。

それに宣伝の仕方が「愛」とか「感動」みたいなアレで、この映画はそういう作品じゃないだろが! 絶望的としか思えない状況にあっても人事を尽くしてサバイブせんとする主人公、そしていろいろなしがらみやリソースの限界はあれどもその彼を連れ帰ろうとする NASA 並びに宇宙飛行士たちの奮闘の物語である。あとじゃがいも超有能。

そういう「愛と感動の〜」というのと次元が違う前向きさが、それこそエンドロールで流れる曲まで貫かれた映画で、そうした意味でマット・デイモンが最適なんでしょうな(しぶしぶ)。最初ムキムキだった彼が、さすがに最後にはゲッソリ痩せてたのが CG だったというのを今これを書いている間に知ってなんだと思ったが。

あと本作は、マット・デイモンジェシカ・チャステインという主要キャストが、同じく宇宙を舞台とする『インターステラー』ともろ被りしていて、彼らの落ち度ではないのだけどどうかと思った。しかも本作は、『インターステラー』よりも明らかに軽い感じで作られているし。

もちろんただポジティブにトントン拍子に進むストーリーなわけはなく、幾度も難関にぶつかるのだけど、リドリー・スコットってこんな前向きな映画も撮れるんだね(失礼)。劇中使われるディスコ中心の曲であったり(それにはもちろん理由がある)音楽の使い方とか、おたくっぽいユーモアとか細部も分かる人には楽しいだろう。

本作のラストはやはりというか『ゼロ・グラビティ』(これも邦題がぶちこわしにしてる例だね)っぽいところがあるが、本作は 3D で観る必要はない。そういえば『ゼロ・グラビティ』も本作も、宇宙で中国が協力的で頼りになるヤツという展開なのだが、なんか観ていてもやもやした。

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