もう今年も2月も半ばになって昨年2020年の話をするのもなんだが、2019年版に続いて2020年版もやっておきたい。
というか、少し前に2019年版で取り上げた(昨年末ビル・ゲイツもお勧めしてた)『RANGE』の邦訳の Kindle 版が安売りしてたので買って読み始めて、これはいい本だ……あ、一年以上前に Five Books 企画やったねぇ、と思い出したというのがホントのところだったりする。
- 作者:デイビッド・エプスタイン
- 発売日: 2020/03/26
- メディア: Kindle版
そういえば『RANGE』を読んでいて、『Calling Bullshit』が講義名として出てきて、あっとなったな。
さて、今回も2020年版として Five Books の The Best Books of 2020 から適当にジャンルをみつくろって紹介したい。
やはりノンフィクション分野が気になるわけだが、5位に入っているダニエル・サスキンドの『仕事のない世界』は例によってカタパルトスープレックスで書評を読んでいた。
A World Without Work: Technology, Automation, and How We Should Respond
- 作者:Susskind, Daniel
- 発売日: 2020/01/14
- メディア: ハードカバー
2位に入っているガイア・ヴィンスの本は『人類が変えた地球: 新時代アントロポセンに生きる』(asin:4759815988)に続いて邦訳が出るでしょうな。
Transcendence: How Humans Evolved through Fire, Language, Beauty, and Time
- 作者:Vince, Gaia
- 発売日: 2020/11/05
- メディア: ペーパーバック
続いて経済学の本だけど、3位に入っている『If Then』はカタパルトスープレックスと翻訳書ときどき洋書で書評を読んでいる。「冷戦時代のケンブリッジ・アナリティカ」というべき企業がテーマで、これは邦訳期待やね。
If Then: How the Simulmatics Corporation Invented the Future
- 作者:Lepore, Jill
- 発売日: 2020/09/15
- メディア: ハードカバー
If Then: How One Data Company Invented the Future (English Edition)
- 作者:Lepore, Jill
- 発売日: 2020/09/17
- メディア: Kindle版
4位に入っている『Boom and Bust』、この書名自体は「景気循環」という一般的な表現だが、昨年ウォール・ストリート・ジャーナルで見た紹介を読むと、「バブル」を理解するのによい本みたい。
Boom and Bust: A Global History of Financial Bubbles
- 作者:Quinn, William,Turner, John D.
- 発売日: 2020/08/06
- メディア: ハードカバー
お次は科学本だけど、2位に入っている『The Great Pretender』って、『脳に棲む魔物』(asin:4047313971)のスザンナ・キャハランの新刊か……とさも知ったように書いてしまったが、未読です。すいません。
The Great Pretender: The Undercover Mission that Changed our Understanding of Madness
- 作者:Cahalan, Susannah
- 発売日: 2020/01/02
- メディア: ハードカバー
あと5位に入っている『The World According to Physics』は、トランネットにブックレビューが載ってたから邦訳出るね……と思ったら、飽くまでブックレビューであり、出版翻訳オーディションにかかったわけではないのか。ふーむ。
The World According to Physics
- 作者:Al-Khalili, Jim
- 発売日: 2020/03/10
- メディア: ハードカバー
The World According to Physics (English Edition)
- 作者:Al-Khalili, Jim
- 発売日: 2020/03/10
- メディア: Kindle版
こちらはフィナンシャルタイムズとマッキンゼーが選ぶビジネス書だが、1位は『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX』という邦訳が既に出ている。
NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX
- 作者:リード・ヘイスティングス,エリン・メイヤー
- 発売日: 2020/10/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX (日本経済新聞出版)
- 作者:リード・ヘイスティングス,エリン・メイヤー
- 発売日: 2020/10/22
- メディア: Kindle版
3位と4位は上で取り上げた本だし、5位に入っている Instagram 創業物語は例によってカタパルトスープレックスで書評を読んでいた。これは今年邦訳出るやろね。
No Filter: The inside story of how Instagram transformed business, celebrity and our culture
- 作者:Frier, Sarah
- 発売日: 2021/02/11
- メディア: ペーパーバック
あと上の経済学編でもここでも2位に入っている『Deaths of Despair and the Future of Capitalism』は、2015年にノーベル経済学賞を受賞したアンガス・ディートンとその妻の経済学者アン・ケイスの共著で、先月邦訳が出たばかり。
- 作者:アン・ケース,アンガス・ディートン
- 発売日: 2021/01/19
- メディア: 単行本
しかし、この邦題では資本主義の問題というテーマが伝わりにくい。6位に入っているレベッカ・ヘンダーソンの『資本主義の再構築』もそうだけど、資本主義どうよ? がこの10年ばかりの今どきな重要テーマなのは間違いない。
- 作者:レベッカ・ヘンダーソン
- 発売日: 2020/10/24
- メディア: 単行本
資本主義の再構築 公正で持続可能な世界をどう実現するか (日本経済新聞出版)
- 作者:レベッカ・ヘンダーソン
- 発売日: 2020/10/24
- メディア: Kindle版
今回もカタパルトスープレックスで書評読んで元本まで読んだ気になっているものが3冊あったわけだが、本当にお世話になっているブログである。改めて感謝させていただく。