調べものをしていて、以前本ブログで紹介した洋書の邦訳が出る話を複数知ったので、まとめて紹介させてもらう。
およそ一年前に取り上げたマット・アルトの日本のポップカルチャー論だが、村井章子さんの翻訳で邦訳が今月出る。
「日本のクリエーターと消費者は単なるトレンドセッターではなかった。先進国が迎えた晩期資本主義世界で、彼らは未知の領域のすこし先を歩いていたのである」という視座は興味深い。
スティーブン・ジョンソンというと少し前に人類の偉大な成果としての「余生」がテーマな新刊について書いているが、「邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2020年版)」で取り上げた海賊についての本の邦訳が今月出る。
「海賊」は時にロマンティックな思い入れの対象にもなっているが、「現代のグローバル資本主義の誕生について語ろうとすると、「海賊」はもっとも重要な存在のひとつ」なのが、この本が書かれた現代的意義なのだろう。
スティーブン・ジョンソンは2020年版の洋書特集で取り上げたものだが、2019年版で取り上げたハンナ・フライの本が『アルゴリズムの時代 機械が決定する世界をどう生きるか』として来月出る。
さて、今回3冊取り上げたが、版元のウェブサイトに個別ページができていたのは、本文執筆時点で刊行がもっとも先の本だけだった。
書籍情報をツイッターで紹介する際にAmazonよりも版元の出版社のサイトにリンクすべきという主張はわかるが、Amazonにページできてるのに出版社のサイトにその本の個別ページがない、Amazonには書影画像があるのに出版社の(中略)という事例が多すぎて、そりゃ負けるよねというのが正直なところ
— yomoyomo (@yomoyomo) May 12, 2019
またこのツイートを引き合いに出さなくてはいけないのだが、Amazon に情報を出せるのだから、版元のウェブサイトに個別ページを作れないはずはない。上記の通り、今回取り上げた本で個別ページができていたのはもっとも刊行が先の本だったというのは、要は版元にやる気があるかないか、それを重視しているかしてないかの違いでしかないのだろう。