当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

Twitter はてなアンテナに追加 Feedlyに登録 RSS

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

以下、公開中の作品のストーリーや登場人物に必然的にかなり踏み込むので、ネタバレが気になる方は鑑賞後にお読みください。

ワタシは MCU について積極的に嫌いと公言している奇特な人間だが、このスパイダーマンのシリーズは『ホームカミング』『ファー・フロム・ホーム』と楽しんできたので、本作もはじめから観に行くつもりだった。

予告編をみると、サム・ライミによるシリーズの『スパイダーマン2』の悪役ドクター・オクトパスが出てくる。MCU の場合、本作のドクター・ストレンジのように他シリーズからスターが駆り出されるのは序の口で、最近は Disney+ のテレビシリーズの視聴まで要求するところがあり、いい加減にしろよと思うのだが、まさかかつての『スパイダーマン』シリーズまで手を広げるとは! マルチバース設定の導入は、やはり『スパイダーバース』の成功が大きかったのだろうか(あれは良い映画でした)。

サム・ライミの三部作はもちろん観ている。といっても、1と3はテレビ放映時のながら視聴だけど。2は映画館で観て、もちろん面白かったが、ほぼ満席のため大スクリーンの前から3列目という過酷な環境、しかも一緒に観に行った女友達が途中で居眠りをしだすという、なかなかにコクのある経験だった記憶がある。

それに加えて『アメイジングスパイダーマン2』の悪役も出ると小耳に挟み、アメイジングのほうはまったく観てなかったので、Twitter でこちらも事前に観ておくべきか聞いてみたところ、見たほうがいいとのことなので、慌てて Netflix で『アメイジングスパイダーマン2』を鑑賞して、公開日に近場のシネコンに足を運んだ。

『ファー・フロム・ホーム』のラストで、これまたシリーズをまたいで復帰のJ・K・シモンズに正体を暴露されてしまったスパイダーマン/ピーター・パーカーだが、ローカルヒーロー/親愛なる隣人としてのスパイダーマン、スーパーヒーローとして例外的な、高校を卒業するかしないかの未成年のヒーローとしてのスパイダーマンを描いた集大成になっている。

前述の通り、悪役については承知していたが、例によってできるだけ事前情報をできるだけ入れずに観に行ったため、アンドリュー・ガーフィールド登場時には、ワタシも周りの観客とともにどよめいてしまった。

過去シリーズの登場人物を引っ張り出してきて、これで表層的な顔見世で終わっていたらふざけんなだが、そうはなっていない。本作でドクター・ストレンジが、パーカー君がまだ子供(未成年)ではないかと強調するのは、トビー・マグワイアが命を賭して暴走する電車を止めた後、乗客たちがマスクがとれたスパイダーマンにかける言葉をどうしても思い出してしまうし、墜落するミシェル・ジョーンズを受け止めたアンドリュー・ガーフィールドが見せるなんとも悲しい表情にしても、これは過去シリーズを観ていてこそ伝わるものが確かにある。

「大いなる力には大いなる責任がともなう」というおなじみのフレーズとともに本作で強調される「親愛なる隣人」という言葉にしても、エレクトロが「てっきり黒人だと思っていた」と語るところに重みがあり、ここにジェイミー・フォックスが再登板した意味があったように思う。

ただ、本作の過去のヴィランを「治療」しようというコンセプトは、そのケア的アプローチが今どきなのかもしれないが、個人的には「それ違うんじゃない? さっさと元の時空に送り返すべきだろ」としか思えず、乗り切れなかった。が、本作の最後での主人公の決断、その後のなんともいえないラストが作品を引き締めていた。

* * * * * * *

……さて、ここまで、もっともらしい映画の感想を書いてきたが、実を言うと、本作の鑑賞中、ワタシの頭の中は目の前のスクリーン以外のことでかなりの割合を占められていたのを告白しなければならない。

それは端的に言ってしまえば尿意である。本作が始まって半時間前後で明確に尿意を自覚し、それからおよそ2時間、尿意に耐え、震えながらの鑑賞になってしまった。

トイレが近いのは以前からで、『それでもボクはやってない』を劇場で鑑賞中(15年前なのか……)、どうしても耐えられなくてトイレのために中座して以来、映画館での鑑賞時は事前に入念にトイレを済ますように心がけてきた。そのおかげで、飲み会の後にレイトショーに行く例外的な場合を除き(今では考えられない話だが、福岡時代は稀にあった)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』『アイリッシュマン』を筆頭とする膀胱的プレッシャーの高い映画を無事に乗り切ってきた。

今回もトイレタイムはちゃんととったつもりだったが、大きな気がかりがあったのが影響したか、と後になって思う。それはやはり新型コロナウイルスで、急速な第6波の立ち上がりを受け、本作を予定通り映画館で観ようか結構迷ったのが、ワタシの心身に影響を与えたのは間違いない。

このまま新規感染者数が指数関数的に増えるなら、不本意ながら劇場での映画鑑賞は当分自粛せざるを得ない。直近では『マッチョ』も『グッチ』も観に行けないかも。

あともう一つ書いておくと、前述の通りワタシは MCU について積極的に嫌いと公言しており、Disney+ には加入していない。本作でも例によってエンドロールの前後で今後の展開が予告されていたが、それに付き合うつもりはない。好きだった本スパイダーマンのシリーズに区切りがついたのを契機に、反時代的人間として MCU からは距離を置かせてもらう。

[YAMDAS Projectトップページ]


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
YAMDAS現更新履歴のテキストは、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

Copyright (c) 2003-2022 yomoyomo (E-mail: ymgrtq at yamdas dot org)