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イーロン・マスク買収後のTwitterを取材したノンフィクション本の刊行が続いている

www.nytimes.com

イーロン・マスクによる Twitter 買収を取材した本というと、昨年秋に異様に仕事が早いベン・メズリックが既に本にしている話を取り上げているが、今月、イーロン・マスクによる Twitter 買収、そしてその後の混乱を取材した本が2冊刊行されており、New York Times の書評欄でその2冊が取り上げられている。

まず一冊目は、Bloomberg の記者である Kurt Wagner による Battle for the Bird

こちらは、2015年にジャック・ドーシーが CEO に復帰して以降を取材対象にしており、2016年の米国大統領選挙、ドナルド・トランプの大暴れ、そしてイーロン・マスクによる440億ドルの買収を描いており、買収劇については内部の従業員が分刻みで語る証言がその内幕を暴露しているとな。

ツイッター業物語』の著者にして、現在はテック系ドキュメンタリーの作り手となったニック・ビルトン、『インスタグラム:野望の果ての真実』のサラ・フライヤー、『Brotopia』のエミリー・チャンといった人が推薦の言葉を寄せている。

そして二冊目は、Platformer の編集長を務める Zoë Schiffer による Extremely Hardcore

この書名は、イーロン・マスクが買収後に社員にまず迫った「超ハードコアに働くか退社か」という選択からとられている。

こちらの本も「60人以上の従業員との数百時間に及ぶインタビュー、数千ページに及ぶ内部文書、さらには裁判での提出書類や議会での証言」といった内部情報に取材した本で、イーロン・マスクが当初の宣言に反し、Twitter を世界のオンライン公共広場から自分用のメガホンに作り変えてしまったか、自らの職場が破壊されるのを目の当たりにした従業員には、会社を救おうと奮闘した人も多くいたようで、そうした人たちに取材しているようだ。

こちらの本についてもニック・ビルトンは推薦しており、バランスとったな(笑)。あと、『Zucked』のロジャー・マクナミーも推薦の言葉を寄せてますね。

NYT の書評記事を読むと、いずれもイーロン・マスクによる買収後の話が大きく割かれているが、前者の本のほうがビジネスストーリーとしての Twitter、そして、ジャック・ドーシーの CEO としてのダメさ、後者の本はイーロン・マスクパラノイアとそれに付き合わされる従業員の災難(「悲劇と茶番の一緒くたん」とな)に重点が置かれている。

この2冊とベン・メズリックの本の計3冊の「Twitter の終焉本」のうち、何冊の邦訳が出るでしょうかね?

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