さて、「Amazon980円劇場」も第三回目。
Zapp ファミリーの歌姫、と書いたところで今では Zapp を知る人自体少ないのだろうか。思えばロジャーが死んで5年が経つんやね。
本作はそのロジャー・トラウトマンを始めとする Zapp ファミリーが全面的に参加している。今聴くと、シンセの音や太鼓の音の作り方に少しめまいを覚えるところもあるが、本作と同時期に作られた、当時隆盛を極めていたブラコン系の音と一線を画した、ポップ寄りのソウルミュージックに仕上がっている。
これはロジャーの才能に依るところも当然あるが、本作に筋を通しているのはやはりゴスペル畑出身のシャーリー・マードックの「うた」だろう。
『魂のゆくえ』の中で、ソウルミュージックのソウルとは何なのかという問いに対して、ゴスペルにつながる高揚感を鍵としたピーター・バラカンが本作を激賞したのも納得である。
次回はもうちょっとメジャーなディスクをチョイスする予定。