コンテイジョン Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2012/02/16
- メディア: Blu-ray
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思えば当代を代表する映画監督であるスティーブン・ソダーバーグの作品を映画館で観るのはこれが初めてだった。
彼の映画では『オーシャンズ』シリーズとかちっとも面白くないものもあるので肌が合わないところもあるのかもしれないが、本作は満足いく出来だった。
人気俳優が多く出ており、作品テーマも地球規模のもので、しっかりしたプロダクションが組まれているが、映画としては大味なところがなく、上映時間もこの手の映画にしてはコンパクトである。この手の映画を撮るなら、もっと悲惨さを強調したりできたし、普通の監督ならその手の場面を入れるはずで、それを不満に思う人もいるかもしれないが、そういうのって大抵映画がだれるところでもあり、ソダーバーグもそれを意識してかシャープにまとめている。
とはいえ、世界規模で蔓延する感染症の恐怖は十分に描かれており、現実にこういうのが起こったら恐ろしいパニックが起きるのが想像できるだけにかなり怖い映画でもある。妻が死んだことを理解できずに頓珍漢な質問をしてしまう夫や冷静に振舞いながらも自分が大事な人を優先してしまう医師など、登場人物の人間らしさを役者陣が抑制された演技で表現していた。
最後まで緊張感が切れない映画だったが、ただ贅沢を言うと、もう少しバッドエンドな登場人物がほしかった。こう書くと人でなしと思われそうだが、そういう展開になりそうな登場人物も何人かいたしね。