- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2013/04/12
- メディア: Blu-ray
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『アウトレイジ』が良かったので本作も映画館で観た。正直ワタシは暴力ものが苦手で、前作同様ぶん殴る音や銃声がビシバシ飛び交う本作も観てて緊張を要した。観てよかったと思ったが、もう一度観るまでは時間を置きたい、と思うのは前作同様である。
前作はちょっとした抗争が、みんな悪いが割りを食うのは下のほう、という世界観の中で話がどんどん大きくいく様が描かれていたが、本作も世界観は同じでも、言葉による謀略なり暴力のほうに重きが置かれていたように思う。
面白かったのは、本作におけるビートたけし演じる大友の弱々しさである。もちろん本作でも相当な勢いで啖呵を切る場面もあるし、殺人にも手を染めるのだが、印象に残るのはそちらよりも出所してもヤクザに戻るのはごめんだ、もう自分は手を引きたいという弱々しさのほうである。
これは北野武自身の心境を反映したものなのだろうか。本作は映画としてのリズムというか編集の上手さを前作よりもはっきり感じたが、一方でヤクザとしてのケジメといったこだわりが微妙に浮いているように感じられたこと、一見唐突に思えるエンディングも凄みよりも個人レベルですべて終わりにしたいという意思を強く感じたのもそのあたりにあるのかもしれない。