- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: Blu-ray
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今年は『Stand Up Guys』(ミッドナイト・ガイズというタイトルでもうすぐ日本公開)、『25年目の弦楽四重奏』に続き、三本もクリストファー・ウォーケンが主要キャストを演じる映画をみれて幸せナリ。
そうした彼のファン目線で観させてもらうと、本作はクリストファー・ウォーケン版『グラン・トリノ』というべき傑作だった。
……すいません、いくらなんでもそれは誇張だが、少しはマジでそう思っている。
本作は主役がコリン・ファレルで、ウォーケン様以外にもサム・ロックウェルにウディ・ハレルソンにハリー・ディーン・スタントンにトム・ウェイツ(彼の来歴がかなり笑える)にガボレイ・シディベとキャスティングが不思議なくらい豪華で、しかもウォーケン様やウディ・ハレルソンをはじめとしてバイオレンスが似合う俳優が揃っていて、タイトルに恥じぬかなりキレた映画である。
実はワタシは暴力的な映画、特にドンパチ系は苦手な人間で、劇場で間違って前寄りの座席をとってしまったため、本作はかなりな緊張状態で観るハメになってしまった。
そうした意味で個人的にはちょっとキツいところもある映画だが、登場人物の絡み合いがよく描けていて、上質なブラックコメディーになっている。
映画を観終わってから気付いたのだが、そうした本作の中でクリストファー・ウォーケンはまったく暴力をふるわないのである。それでいて彼がハレルソンと対峙する場面は、『トゥルー・ロマンス』におけるデニス・ホッパーとの対峙とは違うが、緊張感と狂気を堪能できる。
そしてウォーケンが最後に語る話はワタシにはまったく予想外なもので、しかし、これをかつて『ディア・ハンター』でオスカーをとった彼が語るところにワタシは感動を覚えたし(不謹慎という人もいるだろうが)、そこに『グラン・トリノ』性を感じたといえば分かってもらえるだろうか……無理?