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映画『第三の男』ファン必聴! 軍司貞則『滅びのチター師』のラジオドラマ化「チターはもう歌わない」

YouTube に権利者に(おそらくは)無許可でアップロードされている動画はなるだけここでは取り上げないことにしているのだが、今回ばかりはお許しいただきたい。

ワタシは子供の頃に非常に親しんだラジオドラマ「チターはもう歌わない」の音声が YouTube に公開されている。再生リストで一気にみることができる。元がラジオなので当然音声のみで、7本のファイルに分割されているが、全体で90分くらいである。

このラジオドラマは昭和60年5月4日に放送されたもののようで、正直もっと昔かと思っていた。これは軍司貞則のノンフィクション『滅びのチター師』を基にしたもので、映画史上に残る傑作『第三の男』の音楽をてがけたチター奏者アントン・カラス(トニー・カラス)を扱った本である。

軍司貞則もゲスト出演しているが、プレゼンターが荻昌弘で我々世代には月曜ロードショーでおなじみの熱い語りを聞かせてくれる。しかも電話ゲストが石原裕次郎(!)、ドラマ部ではアントン・カラス役は西村晃(二代目の水戸黄門役で有名か)、キャロル・リード役は小池朝雄(初代刑事コロンボの声)ととても豪華である。

しかし……ここまで名前が出た方々は(軍司貞則を除き)皆故人になっている。荻昌弘はこの放送のわずか三年後、石原裕次郎は二年後で、この番組で語っていた新作映画は残念ながら作られなかった。

……ちょっと待って。キャロル・リード役は小池朝雄は1985年3月23日、上記の放送日の一月以上前に亡くなっている。やはり、これ上記の日付より前に放送されたものなんじゃないかしら。

ワタシはこの番組を(映画マニアの)兄が録音したカセットテープで繰り返し聞いたのだが、番組全体ではなかった。放送から30年近く経って、ようやく全編聞くことができた。

ワタシは後に『滅びのチター師』を読んだので、このラジオドラマにおける『第三の男』の「ハリー・ライム・テーマ」の成立過程などはちょっと演出がかっているのが分かるのだが、それでもこれを聞きながら途中からどうにもこうにも涙が止まらなかった。

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