Rolling Stone がクリストファー・ウォーケンにインタビューしているが、これはジェイソン・ベイトマンの監督・主演作 The Family Fang のプロモーションの一環みたいだが、キャリアを総括する内容になっている。
彼の映画俳優としてのキャリアのほぼ最初の作品である『アニー・ホール』について、ウディ・アレンと話をしたことがないとか、彼をオスカーをとった『ディア・ハンター』の狂気のロシアンルーレット演技について、「映画で銃を使うときは、私は三回銃をチェックする。人はミスを犯すものだからね」と語っていたり(このインタビューではないが、実は彼は『ロンリー・ブラッド』でショーン・ペンと対する場面で本物の銃を使っているんだよね)、映画で披露するダンスの話や、『パルプ・フィクション』の唯一の出番で長いモノローグを披露する場面はあの映画の最後の撮影シーンだったとか(台本8ページ分の台詞を朝7時から撮影したらしい)、SNL における最高傑作コントのひとつ More cowbell の話などいろんな話をしている。
ここでウォーケン様のダンスを堪能できるファットボーイ・スリムの "Weapon of Choice" のビデオをどうぞ(このビデオを監督したスパイク・ジョーンズによると、ウォーケンは言葉に感情がまったく出ないので、彼が何か言っても、それが肯定的な意味か否定的な意味か読めずに困ったらしい)。
ウォーケン様というと、もう少し仕事選べよ、と言いたくなるくらい名作だけでなく駄作や珍作にも出てるが、なんでそんな仕事を続けるのかと問われ、以下のように答えている。
他にできることが何もないんだよ。私には趣味がない。子供もいない。テニスやゴルフもしない。文章を書いたり画を描いたり、役者がするような余芸をやってみようとしたこともあるが、気に入らなくてね。私にできることは、健康を保ち、できるだけ長く演技を続けることだけなんだ。
グッとくるね。そして、このインタビューの最後の質問で引退について聞かれた答えもまたグッときた。
いや、考えたこともない。役者が引退するとは思わないんだな。「そうだな、引退しよう」なんて言う役者なんてまったく知らない。役者はね、アスリートと同じなんだよ。つまり、引退するのではなく、引退させられるんだ。