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WirelessWire News連載更新(人工知能規制、資本主義批判、民主主義再考)

WirelessWire Newsで「人工知能規制、資本主義批判、民主主義再考」を公開。

またしてもワタシの貧乏性気質が炸裂してしまい、3回分の分量を一度にぶちこんでしまっている。正直、書いていてワタシもかなり疲弊してしまい、最後あたりは書いていて意識朦朧に近く、尻切れトンボになってしまった。次回はもう少しタイトにまとめたい。

基本的にはテッド・チャンの寄稿とブルース・シュナイアーの講演内容を取り上げています。

これだけの分量書きながら、これでもかなり端折っており、たとえばテッド・チャンの文章における左派加速主義批判など、話としては興味深いのに仕方なく触れなかった話題もかなり多いので、できればそれぞれ元文章を見てほしいところ。

他にも長さの関係から本文に入れ損ねた話を以下いくつか拾っておく。

まず、文章のはじめに名前を出した「ディープラーニングの父」ジェフリー・ヒントン、最近いろんな媒体に彼のインタビューが出ていて、それだけ大物ということだが、「インチキAIに騙されないために」でも批判されていたように、放射線科医の仕事は5年以内にディープラーニングに取って代わられるので、今すぐ放射線科医の養成をやめるべきと2016年に半笑いで放言をした責任をどう考えるんだ、と誰かインタビューで聞けばいいのにと思う次第。こういうところ、米ジャーナリストもぬるいよね。

そして、米連邦取引委員会のリナ・カーン委員長の文章を取り上げているが、前回の「AIは監視資本主義とデジタル封建主義を完成させるか」の主役メレディス・ウィテカーは、2021年秋からリナ・カーン委員長のシニアアドバイザーを務めている(いた?)んだよね。その体験を踏まえて、メレディス・ウィテカーは FTC には過大な期待はできないと感じているようだ。

あと、テッド・チャンの文章の最初のところ、適切な比喩を選ぶべきという話で、スチュアート・ラッセルがミダス王のたとえ話をしているのを批判しているのだが、実はこの比喩はブルース・シュナイアーもやっているのね。

ギリシャ神話のミダス王は、ディオニュソス神に願いを叶えてもらい、触れる物を全て黄金にする能力を得た。しかし、食べ物も飲み物も娘もミダス王が触れたものがすべて金になってしまい、飢えに苦しみ惨めな思いをする。これが「目標の調整」の問題であり、ミダス王は間違った目標をシステムにプログラムしてしまったのだ。

ブルース・シュナイアーが予言する「AIがハッカーになり人間社会を攻撃する日」 - YAMDAS現更新履歴

おそらくはこの手を話題で引き合いに出したくなる話なんだろう。

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