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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

前作『アイリッシュマン』に続く約3時間半の映画と聞いたときはいい加減にしろよと思ったが、前作のように自分が契約しているストリーミング配信サービスでの視聴とはいかないので公開初日に行ってきた。

ワタシの中では煮ても焼いても食う気が盛り上がらない種類のスコセッシ映画だったのだけど、彼のマフィア映画よりも軽く、唐突な殺人が説明なく重なり、先にさっさと進むうちに時間感覚がおかしくなる感じ、確かに3時間半かけるだけの作品には違いなかった。今さらワタシが書くまでもないが、やはり彼はすごい。

スコセッシ映画には、悪人/狂人/苦労人が出てくるという定説があるが、本作では主人公のレオナルド・ディカプリオが苦労人、その叔父のロバート・デ・ニーロが悪人なのだが、狂人に欠けている……異様な迫力を誇示してもはや笑えるブレンダン・フレイザーがその枠か? しかし、レオナルド・ディカプリオがちょっと頭の弱い、とにかくかっこ悪い主人公をやっていて、少しも気持ちよくなれない映画なのだが、それがスコセッシの意図なのである。

これだけ長い時間をかけた映画の最後、殺人が白人の娯楽コンテンツとして享受される様を描きながら(参考:ネイティブ・アメリカンの富の最大の泥棒は米国政府だった)、その最後の最後に登場する人の顔を見て、具体的に何とはとてもここに書けないが決意のようなものを感じ、震えた。

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