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人間嫌いを極めて人間的に撮った巨匠の死〜ロバート・アルトマンを偲ぶ

ロバート・アルトマンが死んだ。「久々にショックな訃報」といった声が多い。ワタシにしてももちろんショックだけど、でもよくやった、お疲れさん、と言いたい気持ちのほうが大きい。

栄光の70年代、挫折の80年代を経て、『ザ・プレイヤー』で見事復活を遂げた90年代以降堂々たる晩年だと思うからだ。歳を取ってへたる映像作家が多い中で、(『カンザス・シティ』のような文句なしの駄作もあるが)後退の気配を見せなかったアルトマンは尊敬に値する。アカデミーも特別功労賞を贈ったことでギリギリで面目を保ったのかもしれない。

彼の作品ではやはりカンヌを撮った『M★A★S★H』(asin:B0006TPERO)が最高作とされるのだろうが、ワタシの場合、アルトマン初体験だった(大学一年生のときだったなぁ)復活作『ザ・プレイヤー』(asin:B00005HKPM)の印象が鮮烈で、今も一番好きだ。

アルトマンは群像劇の名手と言われるが、個人的には『ウエディング』(asin:B0009V1D3I)のこってり感も好きだが、やはり復活後の『ショート・カッツ』が一番お勧めか。アカデミー脚本賞を受賞した『ゴスフォード・パーク』(asin:B000JU7JSW)は登場人物が二層構造になっており、字幕を追うだけでぐったり疲れるのが難。そうした意味で最高の音楽映画の一つに挙げられる『ナッシュビル』の DVD が出ていないのは惜しい。

あと『クッキー・フォーチュン』(asin:B00005HKWA)のような近作の軽めの作品もお勧め。『ロング・グッドバイ』は好き嫌いが別れるかな。

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