こないだ筒井康隆と血液型人間学の微妙な接点について取り上げたが、今週の連載では複数回「気ちがい」という表記があり、かつて筒井康隆に「狂」という漢字の利用を禁じた朝日新聞がね、と可笑しかった。
さて、その筒井康隆が日記で気になることを書いていた。
楠瀬君には短篇「アニメ的リアリズム」を渡す。あまりいい出来ではないことをことわり、これがわが最後の短篇となるであろうことを通告する。実際、もう短篇は書けないと思う。どんなアイディアを思いついても過去のいずれかの作品に似ているのだ。
笑犬楼大通り 偽文士日碌
ワタシが初めて読んだ筒井康隆の本は『おれに関する噂』で、以降も彼の短編集はいろいろ読んだな。どんな作家の執筆活動にも終わりがあることは理解していても、アイデアにしろ方法論にしろ枯渇がないように見えた筒井康隆にそれを書かれると、夢から醒めたような寂しい気持ちになる。
「アニメ的リアリズム」は『yom yom』(yomoyomoではない)に掲載されるようだ。
yom yom (ヨムヨム) 2009年 12月号 [雑誌]
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