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(500)日のサマー

本作は冒頭でこの映画はラブストーリーでないと宣言されるが、でもやはり本作はラブストーリーだと思う。しかもうっとりもし、痛みも感じる、ユーモラスでとてもよくできたラブストーリーの映画である。

ロックヲタが素敵な女の子に恋をする話で、節々にそうしたネタを突いてくるのだけど、主人公のロックヲタぶりを強調し過ぎず、自意識グジュグジュになってないところはよかった。

とはいえ彼女の気を引きたくてスミスの "Please, Please, Please..." をかけるってお前高校生か! と言いたくなるが、でもそんなもんだよな。彼がカラオケバーで歌う曲が聴いたことあるのに思い出せなくてイライラしてしまったが、ピクシーズの "Here Comes Your Man" だったのね(後半歌うのはクラッシュの "Train In Vain" ですな)。何より彼女と愛し合って有頂天になる朝にホール&オーツの "You Make My Dreams" で踊る場面はやっぱり笑ってしまった。

時制をランダムに飛ぶ構成には面食らったが、ウディ・アレンの『アニーホール』を少し思わせる、しかしもっと若くストレートに心象風景を描く演出がよかった。

本作では主人公とサマーのアップが多用されるが、サマー役のズーイー・デシャネルが魅力的なビッチで(失礼)、彼女のアップをみてワタシも付き合いがあったある女性のことを思い出したりした。

最後にベンチで二人が語り合う場面、そのやり取りはとても皮肉とも言えるが、二人の終わりをうやむやにせずそのあたりをちゃんと描いているのはよかったね。そして、ラストの面接会場でのやりとり……最後に苦笑いしながらも幸せな気分になった。

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