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Google+のハンドル使用問題における決定的考察

Bruce Schneier 先生や Xeni Jardin 女史が賞賛しているので読んでみたが、これはすごい。Google+におけるハンドル使用問題(Nymwars)における決定的考察といえるのではないか。ワタシも取り上げたダナ・ボイドの主張ともかなり被るのだが、こちらのほうが網羅的である。

ただ網羅的だけあってかなり長い。ありがたいことに CC ライセンス(by-sa 3.0)で公開されているので、この問題に興味を持つ人が訳してみてはいかがか。折角なので上で名前を挙げた二人とも引用している部分を中心にちょこっとだけ訳しておく。

「ハンドルの使用はインターネットにおける大きな利点の一つであり、なぜならそれによって肉体的に危険な状態にあって助けを求めていたり、それについて知ってほしくない状態にある人たちが自分自身を自由に表現できるようになるからです。こうした状況下の人たちは、オフラインでのその人に結びつかない一貫性のあるアイデンティティを必要としているのかもしれないのです」

これは Google 自身のポリシーブログからの引用である。問題は Google がそれを理解しているかどうかではない。一体どうしてハンドルの使用がソーシャルネットワークにおいて有効な機能でないと彼らが考えたかが問題なのだ。

ここにこの議論の大きな皮肉がある。ハンドルを使い続けるのは、自分が何者かを隠す手段ではない。それは自分らしくある手段を提供するのだ。それでようやく自分が本当に信じること、リアルな政治、リアルな問題、リアルなセクシャリティ、リアルな家族、リアルな自分の話ができるようになる。「実名」を支持する声の多くは論争を聞きたがらない人たちによるものだが、論争はハンドル使用の必要性のごく一部に過ぎない。我々の大半にとって、インターネットを利用する我々皆にとって重要なことについてオープンに話ができるようにありたいだけなのだ。生まれ、性別、どこで働いているのかではなく、発言内容で判断されたいのだ。

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