- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2015/02/25
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ゴジラがまたハリウッドで映画化と聞いても前回の失敗の記憶もあり食指が動かなかったが、今回は前と違ってよいという評判を聞き、公開初日に行ってきた。
確かにこれはゴジラを分かった人が作った作品ですな……と何かいっぱしにゴジラを知ってるような書きぶりだが、ワタシ自身ゴジラ映画を映画館で観たのは小学生のときに1984年版を観たきりで、あとはテレビで適当に観ただけの人間である。しかし、ゴジラとなるとさも自分が分かってるかのような口を利きたくなる。国民の共有文化財産とはこういうものを指すのだろうか?
ともかくゴジラがなかなか全容をあらわさないところがいいんですな。ゴジラが映画開始5分で登場して2時間出ずっぱりで暴れまわったのでは映画にならない。いや、そうでもないかもしれないが、本作はなかなかよく引っ張り、引っ張り、そして登場したときの迫力が格別なのだ。立ち姿も正統的なゴジラである。
あのすごい鳴き声……ワタシは何度書くように 3D 映画死ね派なので、本作も当然 2D の字幕版を観たのだが、本作なら IMAX 3D は見ごたえあったやろね。
よくやった、ギャレス・エドワーズと言いたいが、本作の場合、ゴジラ登場までひっぱる役割を果たす「ムートー」が、鋭角的でちょっとバランス悪そうなフォルム(こいつの「足」の画が印象的に何度も使われてましたね)にワタシはちょっとエヴァの使徒を想起したが、それはワタシの考えすぎかな。
本作の背景に日本の東日本大震災があるのは言うまでもないが、海軍提督のあまり高圧的でない感じなどに近年のアメリカ映画に垣間見られる鬱加減が本作にも影を落としている印象があった(これは悪い意味ではない)。そうそう、提督と芹沢博士の会話でちょっと不思議というか年齢が合わないのではと思ったところがあるが、これは当方の勘違いだったようだ。
原発や核兵器の問題があまり深刻にならない程度に映画の材料に取り込まれているところに不満を持つのはおそらくお門違いなのだろう。本作は何より怪獣映画として何よりよくできており、いくつも挙げられる弱点を補ってあまりあると思う。
本作のヒットにより続編製作が正式決定したらしく、ラドン、モスラ、キングギドラといったあたりがその続編に登場しそうな気配で、日本のゴジラファンは嬉しい展開なのかもしれないが、個人的には(バトル場面に親和性を感じた)『パシフィック・リム』とのコラボなど実現したらいいなと夢想してしまうのだが、イェーガーとゴジラが Kaiju たちと戦うなんて面白そうだけどな。さすがに無理か。