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マップ・トゥ・ザ・スターズ

デヴィッド・クローネンバーグの映画は『危険なメソッド』以来になる。『危険なメソッド』もそうだったが、前作はいかにも賢しらっぽい映画だったので惹かれなかった。

本作はクローネンバーグが初めてアメリカで撮った映画(今までなかったんだ!)というのに興味を持ち、大好きなジュリアン・ムーアが主演というので観に行ったのだが、ワタシの住む田舎ではなんでここしかないの? という場所だけでやっており、そこのレイトショーに行ったものだから全部で6名での鑑賞になった。

今回クローネンバーグがアメリカで撮ったのは、端的にいって本作がハリウッドを舞台にしているからで、映画関係者の名前もビシバシ出てきたり、登場人物に共感できるキャラクターがほぼいないところもそれっぽいが、そうした意味で本作はクローネンバーグの『ハリウッド・バビロン』であり、『サンセット大通り』や『マルホランド・ドライブ』といった同じくハリウッドを舞台とする映画を容易に連想できる。

しかし、本作のほうがずっと毒があり、そこにクローネンバーグらしさを感じた。ジュリアン・ムーアも落ち目の女優の役で、惜しげもなく皺を晒し、男女との絡みはあるは、××シーンもあるは、ここまでやるかと思わせる。あとキャリー・フィッシャーが本人役でカメオ出演しているが、予め彼女の名前が作中連呼されてなければ、全然彼女と分からないところに月日の流れの残酷さを思った。

特に鍵となるアガサの台詞など本作の細かいディティールでワタシが理解できてない文脈が多々あったと思うが、まぁ、それは仕方がない。本作はそのアガサの願いが恐るべき形で成就するところで終わるわけだが、彼女と同じく出口なしの状況に追い込まれたベンジーの台詞がすごくかっこよかった。

日本の映倫はチンポにぼかしいれるなよとか、CG の映像がちょっとしょぼくて失笑したといったマイナス点はあるし、話としてちょっと焦点が定まらない欠点はあったと思うが、ワタシ的には『危険なメソッド』よりずっと満足だった。

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