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リチャード・ストールマン御大が自由、プライバシー、暗号通貨について語るインタビュー(の暗号通貨に関するところだけピックアップ)

cointelegraph.com
日本語版には翻訳ないみたい。

リチャード・ストールマン御大が暗号通貨、デジタル通貨について語っているのは珍しいと思うので、その方面についての発言をざっとピックアップしておきたい。誤訳があったら指摘してください。

まず(中国の)中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)について。

デジタルペイメントシステムは、プライバシーを守るべく設計されないと根本的に危険だ。中国はプライバシーの敵だよ。中国は全体主義の監視がどんなものかを体現している。私にはこの世の地獄に思える。そこの暗号通貨を私が使わない理由の一部にはそれがある。暗号通貨が政府により発行されると、それはまさにクレジットカードや PayPal なんかがやっているように国民を監視することになるし、それはまったく受け入れられない。

暗号通貨を個人で使ったことがあるかを聞かれての答え。

答えはノーだ。私はいかなる種類のデジタルペイメントも使わないが、システムがユーザのプライバシーを尊重しないのがその理由で、ビットコインもそれに含まれる。あらゆるビットコインの取引は公開される。最初は私に紐づくウォレットが気づかれないかもしれないが、私が何度か取引に使えば、それが私のだと見当をつけるのも可能になる。十分に情報を集めれば、それも可能なのだ。私は現金を使う。それが私のものの買い方だ。

ストールマン、現金派宣言。また彼はビットコインの気に入らないところとして、容易に脱税に使えるところもあげている。

それならプライバシーに配慮して設計されたビットコインの修正版もあるけどそれはどうかと問われての答え。

まだ確信できない。いずれにしろ、GNU プロジェクトはもっとよいものを開発していて、それが GNU Taler だ。GNU Taler は暗号通貨ではない。通貨とはまったく違う。何か買うのに匿名で企業に支払いをするよう設計されたペイメントシステムだ。ブラインド署名で支払う人は匿名になる。しかし、受取側はシステムからお金を引き出すために購入のたびにそれを識別しなければならない。つまり、Taler Tokens を入手するために銀行口座を利用でき、トークンを使えるが、受取側はそれが誰か分からないということだ。

ストールマンは電子決済システム GNU Taler に多いに期待しているようだ。

taler.net

Facebook の Libra プロジェクトについて水を向けられると、それについては調べていないが、Facebook につながれば、Facebook は監視を行う。Facebook にはユーザはいない。Facebook が人々を利用してるんだ。だからだまされてはいけない。Facebook に利用されるな、とまぁ、予想通りのお答えである。

暗号通貨について何か最近心変わりしたことあります? という質問についても御大はゆるぎない。

私の暗号通貨批判は何も新しいものではない。はじめて見たときからずっとそう感じてきたことだ。今は、私は暗号通貨に反対はしていない。その撲滅キャンペーンをやってるわけではないが、特に利用したいと思わないだけだ。ビットコインソースコードを調べてみた限りでは、まぁ、研究対象としてかなり面白いプログラムだと思うが、やることがありすぎて、好奇心でプログラムのソースコードを研究する時間が私にはない。

やはり暗号通貨全般について懐疑的なようで、上にも書いたようにストールマンを知る人にとってはだいたい予想通りな受け答えではあるが、実際ソースコードを見てみたというのがストールマン先生らしいですな。

ネタ元は Slashdot

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