はじめに
一年前、「(ニューカマーのみから)2021年ベストアルバムを10枚選んでみた」というエントリを書いたが、今年は曲単位でやろうと思う。そちらのほうが YouTube をはるだけで読者の方にもすぐに楽しんでもらえるしね!
2022年にリリースされた曲から10曲を選ぶわけだが、ここでの「ニューカマー」が(昨年同様)ワタシにとっての新顔というのがポイントである。ワタシが今年その存在を知り、初めてちゃんと聴いたアクトから選んでおり、本当に今年デビューした人となると少なかったりする。
「若い頃にハマった音楽を聴き続ける」のは「頭の老い」のスタート地点である、という仮説を先日目にしたが、もはや現役の音楽リスナーと言えないワタシですら、ストリーミングサービスのプレイリストや信頼できる方のおすすめ経由で、手軽に新しい音を聴けるのはありがたい話である。
それでは、(ワタシにとっての)ニューカマーのみから選ぶ2022年の10曲は以下になる。
Wet Leg - Chaise Longue
今年のニューカマーといえば、やはりウェット・レッグでしょう。うまく説明できないが、ウェット・レッグの、女性二人がくすくす笑いあってる感じが良かった。
このライブバージョンはグラストンベリーフェスのものだが、原曲ではほとんど呟きの "Excuse me"、"What?" のやりとりが、オーディエンスによって堂々のコール&レスポンスになってるのが笑える。
たとえ、彼女たちが一発屋で終わっても、別にいいと思うの。ウェット・レッグだけはもう1曲動画をはっておきましょう。
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!
Jessie Buckley & Bernard Butler - Footnotes on the Map
ジェシー・バックリーというと、ドラマ『チェルノブイリ』や主役を演じた映画『もう終わりにしよう。』で認知していたが、こんな素晴らしく歌える人とは知らなかった。
この動画は今年30周年を迎えた「ジュールズ倶楽部」からだが、YouTube のトップコメントで、このパフォーマンスが "jools moments" と評されていて、ワタシも同感である。
さて、今年デビューだったアクトはここまで。以下は50音順に並べました。
Andrew Bird - Underlands
恥ずかしながら、アンドリュー・バードの存在を認知したのは今年だった。アルバム『Inside Problems』(asin:B09XRF4WHM)も好きでよく聴いた。
そうそう、アンドリュー・バードと言えば、フィービー・ブリジャーズとのコラボ曲も良かったですね。
Weyes Blood - It's Not Just Me, It's Everybody
恥ずかしながら、ワイズ・ブラッドの(以下略)。
アルバム『And in the Darkness, Hearts Aglow』(asin:B0BFQ12X4X)のリードシングルだが、夢のような曲であり、やはりドリーミーでありながら、ちょっと不気味なビデオも良かった。
Broken Bells - Love On The Run
ブロークン・ベルズが、デンジャー・マウスがやってるユニットというのも知らなかったねぇ。
Dawes - Someone Else’s Cafe / Doomscroller Tries To Relax
恥ずかしながら、ドーズ(以下略)。
たまたまこの長尺曲が気に入り、同時期にジョニ・ミッチェルの情報目当てで、Rolling Stone の「フジロックで名演、Dawesが語るジョニ・ミッチェル復活劇と音楽的チャレンジ」という記事を読んだら、答えてるのあの曲の人じゃんと気づいた次第。
kathryn joseph - what is keeping you alive makes me want to kill them for
このキャサリン・ジョセフという人のことは未だ何も知らないのだが、この楽曲並びに歌詞の独特の不穏さには中毒性があり、繰り返し聴いたものである。
Julian Lage - Saint Rose
ジュリアン・レイジ(ジュリアン・ラージ)のアルバムは確かいくつか聴いているはずなので、こういうリストに入れるのは反則なのだけど、にぶいワタシもようやくピンときたので入れさせてもらった。
ジャズギタリストとしての守備範囲はビル・フリゼールとかとも重なるし、ワタシもビル・フリゼールは大好きだけど、彼とはまた違ったギターの音色の良さとかあるんですよ。
そのフリゼールと共演している新作『View With A Room』(asin:B0B4FV36ZS)おススメです。
Monica Martin - Go Easy, Kid (with James Blake)
これはジェームズ・ブレイクとのコラボ曲で、美しくて切なくてとても良い出来だったので、モニカ・マーティンという人のアルバムをはやく聴きたい。
Julius Rodriguez - All I Do
柳樂光隆さん経由で知ったジュリアス・ロドリゲスだが、この曲はスティーヴィー・ワンダーのカバーで、原曲よりもゴスペルっぽく、なおかつコンテンポラリーに仕上げている。
Trombone Shorty - Come Back
トロンボーン・ショーティはジャンル的にはジャズになるが、この曲はポップソングとしてよくできてます。
ここまでがワタシにとってのニューカマーのみから選ぶ2022年のベスト10曲になる……おい、10曲を超えてるじゃないかと言われそうだが、こまけぇこたぁいいんだよ!
ニューカマーという縛りをなくして今年のベスト曲は、やっぱりビヨンセのあれか、ジョエル・ロスのこれですかね。
そうそう、2022年に知った曲で気に入ったものを適当に追加していった Spotify プレイリストが6時間超えになってしまったので、大掃除など年末の作業のおともにどうぞ。
おわりに
この文章は 2022 Advent Calendar 2022 の第19日目の記事である。昨日は marr さん、明日は youkoseki さんです。
この「ベスト・オブ・XXXX」Advent Calendar への参加は、2020年以来になる。昨年は確か鬱状態だったか気分が乗らずに参加できなかったのに、今年またお声をかけてくださった taizooo さんに感謝する。
2022年は転居して6年住んだ地を離れたり、CISSP の資格をとったり、何より WirelessWire News 連載を復活させたりでいろいろ大変な年だったが、来年は一層大変な年になりそうで、身体を壊さないようにしたい。
本ブログは年内、もう一度くらい更新するかな。