ワタシが住んでいる地方は、ゼロ年代前半あたりまでは洋楽アクトの来日公演も普通に入っていたが、日本経済の衰退とともにそれもなくなってしまった。もともとが出不精なためそれほどこたえていないが、50歳になるワタシもいつまで元気でやれるか分からないと思うことがあり、こんな地方在住でも見れるものは億劫がらずにできるだけ足を運ぶようにしようと思うわけです。
というわけで、ピンク・フロイドの『狂気(The Dark Side of the Moon)』をプラネタリウムで上映するイベントに行ったわけだが、開始半時間前に会場に着いたら、ワタシが見る回は満員の札が出ており、既にすごい行列ができていた。その中に故郷の知り合いがいて驚いたり。
この企画は『狂気』のリリース50周年を記念するプロジェクトの一環だが、このアルバムはワタシと同い年ということになり、つまりはワタシは発表時にリアルタイムに聴いていた世代ではない。客層はワタシでもやはり若いほうになるのかもしれない。
ピンク・フロイドの『狂気』はワタシにとっても重要な作品で、今更プラネタリウムで見たからどうというのはないが、アルバム冒頭の引き込み方の巧みさ、アルバム全体の聴きやすさと統一感を再認識させられた。
思えば、ワタシが本格的に洋楽を聴き始めたのは中学生の頃だが、当然ながら購買力に限界があり、当時熱心に聴き、自分の人生航路に影響を与えた70年代の名盤の多くは、レンタル屋で借りた CD をカセットテープに録音しており、驚くほど CD での所有率が低かったりする。今はストリーミング音楽配信サービスがあるので別にそれでもいいのだが、『狂気』ほどの作品はやはり CD で買っておこうと今回思った次第である。
あと、福岡市科学館に行ったのは恥ずかしながら今回初めてだったが、雰囲気の良いところだったので、何か機会を見つけてまた足を運びたいものだ。