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三冊目の翻訳書『デジタル音楽の行方』が刊行されます

トップページを改装し、12月6日発売予定の新刊『デジタル音楽の行方』のサポートページを追加。

デジタル音楽の行方

デジタル音楽の行方

遂に刊行される。今回は前二冊と正反対に、翻訳を手がけていることをサイトに一切書かなかったので驚いた人もいるかもしれない。今はなんとか無事に仕事を終えることができた束の間の安堵感を味わっている。

サポートページに名前が挙がっている方々を含む、本書の成立に手を差し伸べてくださった皆様に対し、心から感謝したい。

せっかくサポートページも作るので、合わせて本家サイトのトップページも全面改装させてもらった。1999年に YAMDAS Project を始めて以来、全面的な改装は実は今回が初めて(!)だったりする。

そういうものぐさでなおかつデザインセンスが皆無な人間なので作業は難航を極め、結局結城浩さんのサイトをかなりインスパイヤしてしまった。す、すいません、結城さん!

音楽の未来への長い道

『デジタル音楽の行方』の原題は The Future Of Music: Manifesto For The Digital Music Revolution で、直訳すれば『音楽の未来:デジタル音楽革命宣言』というなかなか勇ましい本である。

上で今回の翻訳についてはサイトで触れなかったと書いたが、正確には「lost in translation――なぜそれを訳したのか(2)」に分かる人には分かるように忍び込ませている。これは作業も終盤を迎え、いくらか息をつける余裕ができていたのだろう。

具体的には、Derek Sivers についての「最近読んだ本によると」というのは言うまでもなく『デジタル音楽の行方』のことだし、最後あたりの「これから取り掛かる仕事の肩慣らしのつもりで訳した」というのもしかり。

さて、その肩慣らしで訳した以下の二つの文章だが、

後者の文章を書いた Ed Felton のブログ Freedom To Tinker は、件の Sony BMG rootkit 問題で検証と情報の伝播に大きな役割を果たしたし、前者の原文を書いた Cory Doctorow を中心にして Boing Boing においてこの話題のエントリ乱れうち状態が続いている。

上に挙げたのはあくまでまとめエントリで、この問題について書かれたエントリは総計50を超える。テキサス州当局が提訴するにいたり、まだまだ終結とはいかないだろう(というか Sony BMG がネタ提供し過ぎるのだが)。

『デジタル音楽の行方』でもコピーコントロールは一刀両断にされ、DRM は「デジタル貞操帯」と揶揄されている。

The Yakumo Project : 日本語ドキュメントを英語圏へ

Rogue Engineer's Diary / やさぐれ日記は Nerd TV 翻訳を読んで以来巡回先だったのだが、日本語のドキュメントを英語圏にもっと届けることを呼びかけた宣言が、

"YAMDAS Project"と似ているのは(ちょっとした敬意も込めての)ご愛嬌、ということで。

というとても嬉しい文章でしめられていることを id:otsune さんに指摘されるまで気付かなかったのは迂闊だった。

こういう文章を読むと、うっかり自分が素晴らしい仕事をしてきたかのような錯覚に陥りそうになる。

当方の感慨はどうでもよいとしても、例えば先日の Wiki小話/Vol.3 でも日本の Wiki エンジンを海外へという話が出たようだが、その一環としても「日本語ドキュメントを英語圏へ」というのは必要になるわけで、こういう動きは好ましいものだと思う。

Wikipediaの想定の範囲外の使い方

いずれも Rauru Blog のエントリ。そりゃ困るよな。それにしても Wikiscripts なんてのがあるなんて知らなかったね。そうそう、Rauru Blog のエントリで忘れてはいけないのはコレ。

WikipediaGoogle Base との競合の話よりも重要なのは、Jimmy Wales の「WiktionaryWikiquote には、フリーフォーマットで構造化されていない Wiki よりも定型フォーマット的なテンプレートがあった方が良い」という話で、これを知っていると WikiSym での議論も納得できる。

WikiSym の模様については、Software Design 次号の「Wikiつまみぐい」を参照あれ。予告しておくと、次号の「Wikiつまみぐい」は豪華二階建てバスがビルに正面から突っ込んだような Wiki 狂い咲きな内容なので(おい!)是非読むように。

The daemon, the gnu, and the penguin: A History of Free and Open Source

以前紹介した Peter H. Salus の新作がまとめて公開してあるページを知る。ネタ元は平々毎々

そうか、The daemon, the gnu, and the penguin というタイトルはジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』をもじったものだったのか。『銃・病原菌・鉄』がまたブームなのか? というエントリを以前書いてたのに気付かなかったな。

そういえば、ダイアモンドの新作『文明崩壊』がまもなく日本でも刊行されるみたいね(asin:4794214642, asin:4794214650)。

町の図書館に入ったRFID 東葛西図書館訪問記

最近では「RFIDの現在と未来」という文章も訳しているが、飽くまで対象がウォルマートなどでの利用の話が主で、他の利用事例も知りたいなぁと思っていたところだった。

当然なぜ RFID かという話になるわけだが、やはりここでも出てくるのは盗難問題だった。

あと、RFID とは関係ないが、以下のくだりもやはりといったところ。

 文藝家協会は公共図書館の副本問題で過敏になっており、図書館を「無料貸本屋」と罵倒する作家までいるが、図書館側としては、本の貸出数以外に社会貢献度を計る物差がないので、ある程度の数の副本をいれざるをえないのだという。

『フォルティ・タワーズ』30周年記念番組が放映

フォルティ・タワーズ』の放送が始まって今年で30年になることは以前触れたが(そして反響の大きさに驚いた)、やはりそれを記念したテレビ番組が放映されていたのね。それに関するブログができるのが今風ということか。個人的にはマニュエルの現在の姿に……

さて、『フォルティ・タワーズ』は、ジョン・クリーズ(新種のキツネザル彼にちなんだ名前がつけられたそうな)と妻コニー・ブースとの共作だったが(後に離婚)、コニー・ブースは報酬関係に不満で、『フォルティ・タワーズ』の DVD 化の際にはインタビューを受けなかったと聞くが、今回は登場している模様。嗚呼、見たい。

フォルティタワーズ DVD-BOX

フォルティタワーズ DVD-BOX

テリー・ギリアムが『爆笑問題のススメ』に出ていた

先日ベンジャミンから珍しく電話があった。

「お前、テリー・ギリアムって知ってるか?」「知ってるも何も……キミはワタシのサイトを読んでいないのかね。第一ね――」「テレビに出るぞ」「へ?(『フォルティ・タワーズ』のマニュエル風)」「爆笑問題の番組」「え”、あれ今日?」「今から始まるって」「……ありがとう」

というわけで見逃さずに済んだわけだが、大田がやたらと政治的なことを喋っていたな。しかも対象が『フィッシャー・キング』で、あの映画はギリアムは脚本にタッチしていない完全な雇われ監督だったのだけど(『12モンキーズ』もそう)。

ただ考えてみれば、ジェフ・ブリッジズという役者は、『タッカー』から『隣人は静かに笑う』までアメリカ人を体現した人とも言えるな。

フィッシャー・キング』はワタシも大好きな映画で、以前も書いたがグランドセントラルステーションのワルツの場面は、何度観てもボロボロ泣いてしまう。理由は分からない。このワルツの場面は脚本にないもので、もちろんギリアムが思いついたものだが、はじめ彼はこれを撮ることを躊躇したという。「これをやったら「テリー・ギリアムの映画」になってしまう」というのがその理由だった。

そして『フィッシャー・キング』が「テリー・ギリアムの映画」になったのは言うまでもない。

65歳になったギリアムは、ストックホルム国際映画祭で Stockholm Visionary Award を受賞した

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