先日ベンジャミンから珍しく電話があった。
「お前、テリー・ギリアムって知ってるか?」「知ってるも何も……キミはワタシのサイトを読んでいないのかね。第一ね――」「テレビに出るぞ」「へ?(『フォルティ・タワーズ』のマニュエル風)」「爆笑問題の番組」「え”、あれ今日?」「今から始まるって」「……ありがとう」
というわけで見逃さずに済んだわけだが、大田がやたらと政治的なことを喋っていたな。しかも対象が『フィッシャー・キング』で、あの映画はギリアムは脚本にタッチしていない完全な雇われ監督だったのだけど(『12モンキーズ』もそう)。
ただ考えてみれば、ジェフ・ブリッジズという役者は、『タッカー』から『隣人は静かに笑う』までアメリカ人を体現した人とも言えるな。
『フィッシャー・キング』はワタシも大好きな映画で、以前も書いたがグランドセントラルステーションのワルツの場面は、何度観てもボロボロ泣いてしまう。理由は分からない。このワルツの場面は脚本にないもので、もちろんギリアムが思いついたものだが、はじめ彼はこれを撮ることを躊躇したという。「これをやったら「テリー・ギリアムの映画」になってしまう」というのがその理由だった。
そして『フィッシャー・キング』が「テリー・ギリアムの映画」になったのは言うまでもない。
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65歳になったギリアムは、ストックホルム国際映画祭で Stockholm Visionary Award を受賞した。