- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2006/11/17
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ワタシはこの映画の監督の前作である『下妻物語』を観よう観ようと思いながら観ていないので、この人の作品を観るのははじめてである。日本の映画監督にもこういう色彩の映画を撮る人もいるんだなというバカみたいな感想をまずもった。
映画としては『市民ケーン』と同じスタイルの作品で、ストーリーだけ書けば主人公はまったくどうしようもない転落人生の後に無残に殺されてしまったことになるのだが、主人公松子の人生が上に書いた色彩豊かな映像の上にミュージカル風に描かれ、そうした陰惨さはなく、ユーモアの感覚も心地よかった。ワタシは原作も読んでいないので、それが原作から引き継がれたものかは分からないが、主演の中谷美紀の熱演が大きいのは間違いない。
映画館で観れてよかったと思った映画である(当たり前だけど!)。しかし、最後はひっかかった。「神」という言葉が引き合いに出される主人公の甥のモノローグをバックに外に走っていく主人公と、その後主人公が殺される場面(これは観ていて本当に悲しかった)を経て、冗長なエンディングの後に階段を上っていく主人公がなんかつながってないんじゃないか? あとそこでのきれい過ぎる星空が気に入らなかった。この映画の映像は人工的なものだけど、あの場面だけは癪に触った。あれは許されない類の嘘じゃないか。そんなことを思うのはワタシだけだろうけど。