遂に MS Office がウェブブラウザ上で動く時代になったわけだが、この展開を聞くと、ワタシはどうしても「マイクロソフトからGoogleに受け継がれる「悪の帝国」の座」で紹介したニコラス・G・カー先生の予測を思い出してしまう。
ここでカーは書きます。Google の有利さは、ウェブベースの Office でマイクロソフトに先行しているだけではない。それだけならマイクロソフトも直に追いつける。Google の一番の有利さは、Google がマイクロソフトでないことだ――
失礼ながら、ワタシはここで爆笑してしまったのですが、要は Google の提携戦略は、既存の IT ベンダにとって、目をつけられれば存亡の危機になりかねかったマイクロソフトの攻撃的なやり方とは違うということです。
そしてその Google と IT ベンダの提携が、マイクロソフトの Office 製品の支配的な立場を崩すとカーは予想します。ここで「 Is Office the new Netscape ? 」というタイトルの意味が分かるわけですが、Google の個人の生産性を向上するアプリケーションが「クラウド」で無料ないし安価で提供されることで、マイクロソフトの Office 製品のビジネスモデルが崩れてしまうというのです。もちろん消費者が Office を使わなくなるというわけではない。しかし、たとえマイクロソフトがウェブ向け Office の競争に勝ち、この分野でもトップになろうとも、かつての極めて高い収益性は望めなくなる――
マイクロソフトからGoogleに受け継がれる「悪の帝国」の座 | ワイアードビジョン アーカイブ
ウェブ版 Office は、マイクロソフトの収益性を衰退させる一歩となるのだろうか。