こないだの「ワタシが愛する洋楽アルバム100選」から980円以下のものを紹介しまくる企画がはてなブックマークニュースで取り上げられるなどかなりなブックマーク数を集めて正直呆れたのだが、これを調べる過程でプリンス殿下のアルバムがこないだ紹介した『Parade』以外にも相当数980円以下なのを知ったので、まとめて紹介しておく。
今では「殿下」と言っても通じないのかもしれないが、80年代の音楽シーンでイノベーションを一手に引き受けた人である。彼の場合、イメージの問題で食わず嫌いの人も多いかと思うので、これを機に聴き始めるのもいかがだろうか。
殿下が現在杖なしでは真っ直ぐ立つことさえできない話も以前紹介したが、そのあたりなんとかならんものかと思う。
- アーティスト: PRINCE
- 出版社/メーカー: WEA
- 発売日: 2004/06/01
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セルフタイトルのアルバムの本作(ただしこれは2ndアルバム)から "I Wanna Be Your Lover" というヒット曲が出たし、バラードの佳作 "With You" なども入っている。
今聴くとシンセ主体で全体的におおらかな印象で微笑ましい。彼のアクの強さが苦手な人にお勧めなアルバムかもしれない。
- アーティスト: PRINCE
- 出版社/メーカー: WEA
- 発売日: 2004/06/01
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このあたりから歌詞に露骨にセックスを持ち込むようになっている。ピーター・バラカンが最初にこのアルバムの "Head"(フェラチオの意味)を聴いて、歌詞に拒否反応を示してしまったことを『魂(ソウル)のゆくえ』に書いてたっけ。
"Uptown" にはじまり、その "Head" を含むB面が好き。
- アーティスト: PRINCE
- 出版社/メーカー: WEA
- 発売日: 2004/06/01
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前作に続いてイメージ戦略をはっきり打ち出すようになったアルバムで、タイトルからしてそのあたりに意識的だったことが分かる。アルバムトータルのまとまりも本作あたりから強くなってきた。
- アーティスト: PRINCE
- 出版社/メーカー: WEA
- 発売日: 2004/06/01
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前作『Purple Rain』により世界的スターとなった直後に驚くほどストイックにプロデュースされた本作を出したことで、売り上げの低下と反比例して天才の評価を確かにした。
誰もが持つ心の聖域を歌った "Paisley Park" はワタシが殿下の好きな曲ベスト3に入るし、"Pop Life" も何度聴いてもゾクゾク来る。
- アーティスト: PRINCE
- 出版社/メーカー: PAISL
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: CD
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『Black Album』の突然の発売中止でゴタゴタした後に全裸になっちゃったアルバムジャケットを見てちょっと辟易したのを覚えているが、これも名作の一つ。怒りに満ちたファンクアルバム『Black Album』の反動と言える音世界は売り上げをさらに落としてしまったが。
そういえば本作のCDは、全9曲が1曲として設定されていたが(CDという媒体に懐疑的だったらしい)、それは現在のリリースでも同じなんだろうか。
- アーティスト: Prince
- 出版社/メーカー: Rhino Flashback
- 発売日: 2009/02/03
- メディア: CD
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本当はセールス不振のためリリース間隔をあけるはずが(だってこの人はおよそ10年間毎年アルバムを出してきたのだ!)、制作中の『バットマン』のセットに入った途端盛り上がってしまい出来たアルバムらしい。
本作は久方ぶりの大ヒットとなったが、今冷静に "Batdance" を聴くと何でこれがそんなに売れたのか不思議になるムチャな曲である。
- アーティスト: PRINCE & NEW POWER GENERA
- 出版社/メーカー: WARNE
- 発売日: 2002/10/01
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このアルバムは発表当時の「もう彼はイノベーターではなくなった」という怨嗟のようなレビューをいくつも読んでいたためリアルタイムに聴いてなかった。しかし、本作が90年代では一番売れたアルバムのはず。
- アーティスト: Prince
- 出版社/メーカー: Rhino Flashback
- 発売日: 2008/09/30
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ジャケットに Prince 1958 - 1993とまるで墓碑銘のように書かれている。当時所属していたワーナーとの確執や改名騒動などあり、プリンス名義の最後のアルバムになるのではないかと当時言われた。
そんな喧騒をよそに波の音が曲間で使われる落ち着いて聴けるリラックスしたアルバムで、1曲目の "Come" と9曲目の心地よい "Letitgo" が特に好きである。
……とこれで終わればいいのに、何故かその後女性がオーガズムに達するあえぎ声が1曲分入っていて、これがアルバムの印象を悪くしている。天才の考えることは分からんよ。